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積丹町香美市姉妹都市20周年記念ビール 積丹町訪問記第3章

こんにちは! TOSACOの代表兼Note編集長の瀬戸口です。
1年で一番ビールが美味しく感じるこの時期を、みなさん噛みしめていらっしゃいますでしょうか?!(笑)

さて、今回も先週に続きまして高知県香美市と北海道積丹町の姉妹都市締結20周年記念ビールの販売開始を前に、私が6月に積丹町を訪問した際のお話を投稿させていただきます。※前々回の記事はこちらから👇👇

積丹町の未来を背負った蒸留所「積丹スピリット」さん。先週は実際のポットスチル(蒸留機)を目の前にしながらうかがったお話のなかから、とくに蒸留の原理にフォーカスして投稿しました。※前回の記事はこちらから👇👇

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みなさんぜひいらしてくださいね!

◉今回は「ブレンディング」の世界をシェア!

今回はあまりビールなどの醸造酒ではやることのない、蒸留酒ならではの世界、ブレンディングについての話から、スタートしたいと思います。


◉ブレンドは「沼」?!

瀬戸口>>すっごくたくさんのタンクがありますね。

岩崎さん>>貯酒している量はそれぞれ違うんですが、シングルボタニカルスピリッツを今40種類以上もっています。

大きさの異なるタンクがいっぱい

岩崎さん>>一番大きい1000Lのタンクにニュートラルスピリッツに加水調整したものを入れておき、それを全部の原酒にしています。

瀬戸口>>このニュートラルスピリッツに連続式蒸留機でジュニパーベリーの香りづけをしたものがジンということですかね?

岩崎さん>>そうですね。すべての商品のコアジンということになります。明日ちょうどそれを仕込むので今ポットスチルのなかに入ってますよ。

たくさんのジュニパーベリーが浮かぶポットスチルの内部

◉コアジンから始まる引き算ブレンディング

瀬戸口>>コアジンがあって、商品開発では色々なシングルボタニカルスピリッツを足していくというイメージですか?

岩崎さん>>そう、それがブレンディングというやつですね。ブレンドは沼ですよ(笑)こだわると正解になかなかたどり着けない。

瀬戸口>>NHKさんの朝ドラ「マッサン」でも、なにかが足りないと言って悶々と悩み続けた挙句、ある樽の原酒を一滴垂らすだけで完成するというシーンがありますよね。なるほど、沼ですか。

岩崎さん>>足し算より引き算のイメージをもった方が良いですね。
正解イメージだけをもってそこからの逆算、つまり引き算でイメージに近づけていく感覚です。

たくさんの種類のシングルボタニカルスピリッツ。

◉ブレンディングは、バランス。

岩崎さん>>そうじゃないと組み合わせが無限にありますからね。
キーに据えたい要素に対して、他の要素を何にするかということになる。なので種類はそれほど増えません。5種類から10種類くらいですかね。

個性が強いものと個性が強いものが合わさっても喧嘩するだけなので。
やっぱりブレンディングはバランスです。いかに引き立てたいやつを引き立てて、それの盛り立て役をどのお酒でやるのかという考え方です。10mLくらいの量で何回も何回もトライします。

瀬戸口>>ビールとは造りの思想が大きく違うところかもしれませんね。
TOSACOでも様々な素材を組み合わせてビールを作りますが、1つのビールの仕込みのなかで完成させようとしますからね。ジンでは1つ1つのスピリッツ造りはシンプルに造っておいて、ブレンドのなかで複雑味を作り上げていく。それも楽しそうですね。

◉将来的には、姉妹都市ドリームコラボも!?

瀬戸口>>ここまで聞くとビールを原酒として造るジンみたいな夢のようなアイデアが出てきてしまいますね。(笑) 

岩崎さん>>面白いですね。ただ、結構な量のビールを使うことになりますね。廃棄するビールということでもないそのために作った高価なビールを原酒にするというのは結構責任を感じますよ。(笑)

瀬戸口>>ビール由来の雰囲気っていうのはスピリッツにしてもちゃんと残るもんですかね?

岩崎さん>>それは残ると思います。事例がないわけではないですからね。

瀬戸口>>実現したら姉妹都市交流から発展した超ドリームコラボですよ!絶対楽しい!そのときは私もここに来て立ち合いたいです!

◉TOSACOとも共通する「将来を希望に繋ぐ」というテーマ

実は岩崎さんとの対話のなかで、いくつかTOSACOとも共通のテーマだと感じたのが、「将来に希望を繋ぐ」ということでした。
私も普段から色々な生産者さんとお会いするなかでは、魅力的で可能性を感じる素材や商品があるけれど、迫りくる現実を前に退却を受け入れているというような一次産業の現状を感じることがあります。おいしいこうちがベースにあってこそのTOSACOなので、こういう場面に遭遇すると胸を締め付けられるような気持ちになります。このような状況に対して「将来に希望を繋ぐ」ためにTOSACOとして今よりもさらに、どんなことだったらできるのか、考えなければならないところです。

おいしいこうちがベースにあってこそのTOSACO。

◉積丹スピリットさんの取り組み

積丹スピリットさんでは、アカエゾマツの木を植樹するイベントを定期的に行なっているとのこと。

岩崎さん>>今正直未来が見えない状態になっているんですよ。
地球環境の変化で特産品のウニも取れなくなっていて。
自分たちは新規の事業だから、なにか未来が見えることをやりたい。
木は育つのに40年とかかかるので、40年後にまだ会社が続いていれば、そこからまたアカエゾマツの新芽をとってお酒をつくることができます。
そういうのを繋ぎたいなと。

物理的に場所は離れていても、励まされるような、これからも気になる存在が北海道にできました。岩崎さん、誠にありがとうございました!

お時間をいただき、ありがとうございました!!

◉次回予告

次週は2年ぶりの復活ですが、「ミルクマンゴーヘイジーエール」の裏話、こぼれ話です。お楽しみに!!

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