I LOVE 湯。パパと息子と銭湯と。
なぜ今、急に銭湯?
突然、銭湯の話題が出たのが数年前、神戸市の広報紙に銭湯の紹介が突然載っていた。
その時は、ただただ「?」が浮かんだが、どうやら原価高騰で値上げをするところ、値段据え置きをしているとのこと。
そして勢いそのままに、お風呂巡りやいろんな助成をしているそう。
今ではスーパー銭湯が当たり前の時代、その値段の約半額の「450円」という絶妙な金額設定。
その値段設定も、実は国が決めたものだそうだ。
そんなことも知らなかった一般市民がここにいます。\はい!/
平成育ちの現在子育て世代でも、身近に銭湯があった。
自分と銭湯のつながりで思い出すのが、おじいちゃん家の近くにあった銭湯。
下町でもなく、割と都心に近い住宅街の片隅にあった。
もう、とうに潰れて新しい家が建っているが、昭和の息吹は平成の半ばまでは確かにあった。
なぜその銭湯に行っていたのかはよく覚えていないが、大きな高揚感があったのは微かに記憶に残る。
時は流れて大学時代。
スポーツをして、その後に必ず風呂に入って飲んで帰るというのが友達との暗黙のルールだった。
特に、大学時代は一人暮らしをしていたので、家の風呂なんぞ所詮シャワーか熱湯を出して溜めるもので、めんどくさいの塊。家に帰ってからは何もやる気もせん。
やはり銭湯も含めた一連の流れが、遊びの一部でもあった。
さっぱりしてから、ぐいっと飲んで、へべれけになって帰るというものだった。
そして輝く銭湯ソウル。
何も意識していなかったが、日本人にとって銭湯にいって、さっぱりして家に帰るという文化は、昔からあるんじゃないかとふと感じた。
冬はまさに「神田川」がひとりでに流れてきそうな(あなたはもう忘れたかしら)、日本ソウルみたいな、そんなものが定着しているのだろうか。
例外なく、令和を生きる息子(4)も銭湯が好きで、海水浴の後に連れて行った思い出もあるのかもしれないが、家のお風呂とはちょっと違う、なんとも言えない特別感がとてもワクワクするようだ。
きっかけは割引。神戸市でそんなんやってるらしい。
最近も、広報紙に「2024年度地域子育て入浴割引」の情報が載っていた。
通常は大人450円と未就学児60円の510円のところ、220円。以上。ということで、めちゃお得。
というか、半額ってちょっと太っ腹すぎやしないか?
そのため、ものは試しだということで、行ってみることにした。
ノスタルジーを感じないはずがない、懐かしさと新しさ。
最近はサウナでととのうというのがブームがきて、それと同じような昭和ノスタルジーというのも見直され、ブームとなっているようだ。
もちろん、流行り廃りはあるものの、施設や中に置いてあるものから感じる古さ。そこから感じる懐かしさ。でもそれでいてなんか新鮮な感じがなんとも言えない。
真ん中に番頭さん。大相撲中継(テレビはブラウン管・・では流石になかった)。
アナログ式の体重計。トイレもザ・和式。
しかし、割引処理はスマホ。
そして今まで見たことがないデジタルスタンプ(本当にスタンプを押すような感じのデバイス)。
だが、最終的に220円は現金で払えという。
昭和なのか令和なのか、行ったり来たりの混乱がおそう。
息子は昭和と言われても分からないかもしれないが、大きくなった時に、「小さい時にパパに連れてきてもらったなぁ」とか、そういう体験が実は大事なのかもしれない。
そんなことを思いながら、周りの地元のおじさんたちを横目にガラガラと扉を開ける。
床はタイル張り。富士山はなかったものの、天井が高く窓は断熱性もへったくれもない窓。
嗚呼、これが日本の銭湯であると言わんばかりの世界観。
湯船は3つ。ジェットと深い全身浴槽と電気。
1つ1つは広くないものの、味を出しているなぁという感じ。
息子は熱がっていたものの、湯浴みならぬ水浴みをしてから、ざぶんと頑張って入った。
お風呂上がりの一杯は、例のアレ。
銭湯といえば、必ず冷蔵庫や自動販売機があって、必ず上がった後には、コーヒー牛乳か何かを買って一気飲みする。
というのは私だけなのか。(いや、そんなはずはない)
初心者の息子にも、パパから銭湯の「締め」とは何かを伝授する。
1本、120円。
まぁ、高くなっている・・とはいえ、安くしてもらっている部分もありますから。
先ほどの、割引があるため、2本で240円を足して460円。これは、コーヒー牛乳を飲みなさいという値段設定であることは間違いない。
本来は腰に手を当てて一気飲みをするところだが、そこは令和のこの時代なので控えて、おとなしく二人並んで飲んで、銭湯を後にした。
垂水駅から徒歩5分。
そこに広がるノスタルジックな世界。地元の日常と、自分の非日常が交錯するようなそんな感じ
銭湯はいつ来てもいいもんだ。
そんなことを思いながら、シャンプーのいい匂いをふわつかせ、家路につくパパと息子だった。
I LOVE 湯からYOU LOVE 湯へ。
その想いは脈々と受け継がれていく。