二人の掛け合わせで「やりたいこと」を形にする場
おばんざいと日本酒や インタビュー(4)
若手の夜明けMeetupで、おばんざいと日本酒とのペアリング体験を提供してくれているフード&ドリンクユニット「おばんざいと日本酒や」。二人にとってこの活動はどのような意味を持つのでしょう? 4回にわたってお話を伺ってきた「おばんざいと日本酒や」のインタビュー、ついに最終回です。
春那 私は独学で料理を始めたので、当初はこんな様々な場でおばんざいを振る舞う機会ができるとは夢にも思ってなかったです。けど、今の自分が一番表現できる手段は、おばんざい屋として「ごはん」と「場」を作ること。いろいろな媒体や手段がある中で、心地よくいいと思うものを表現できると思っています。
あ、でも今のユニットは「京香と何かやろう」と思ったのがきっかけでした。お酒好きやし、日本酒とご飯で何かやりたい、と思って。
京香 私も「食のイベントをしてみたいな」と思っていましたが、お酒だけあってもイベントにはならないので、料理が得意な人とできたらと思っていました。料理にこだわりが強い春那と一緒にできて嬉しいです。
春那 おばんざいだけの活動なら私一人でできるかもしれないし、日本酒だけなら京香一人でできると思うんです。でも「おばんざいと日本酒」という掛け合わせは、今この2人だから作れているものだと思います。ご飯だけよりも日本酒があったほうが、意外なマッチングやさらなる味の発見があるから、単体よりも掛け合わせた方が絶対楽しい。
京香 私たち自身もそうで、二人だと視野が広がるんです。お互いに「こういうお店にしたい」「こういう発見があった」という話はよくシェアします。
春那 電話とかオンラインで「今月の雑誌の特集、日本酒やったよ」とか。あるベトナム料理屋さんに行ったときも、日本酒とのペアリングがあったので「めっちゃ面白いこれ!」と言ってシェアしたり。
京香 「ここのランチ行ってみたいね」「県外でこういう場所を借りてイベントしたいね」みたいな。お互いにアイデアの種はよく共有し合っています。
春那 おばんざいを作る中で、「お店を持ってみたい」という気持ちも芽生えてきました。今働いている会社では、ディレクションやプロデュースとして仕組みを作る役割でいるのですが、おばんざい屋でも料理人さんなどと一緒に場を作ってみたいなって。
京香 それも素敵だね。でも私は春那の手料理が好きで、唯一無二だと思っているから、春那には現場で作り続けてほしいなあ。
春那 もちろん作ることは好きだし、私のご飯を食べて「おいしい」って言ってくれたり私たちに会いに来てくれたりするのは嬉しいよね。
これからの理想の形は、私はたまにカウンターに立つくらいで、料理人さんに料理を任せられたらな。将来的にはお店を作って、私はもっと食事の背景にある物語とか思いを伝えていけたらいいなと思っています。他にも、お店から飛び出して、産地や食文化を巡るツアーをしたり、海外にも出張して行きたいね。
京香 ツアーやりたいね!日本各地はもちろん、海外もいいよね。日本酒はいろいろな料理とペアリングできるから、それも探求してみたいな。個人的にはトマトが好きだからヨーロッパの農園や市場、飲食店をめぐりたい。各国のトマト料理と日本酒を合わせてみたいんだよね。
春那 そういうことを企画する側、考える側でいられたらいいな、って。でも「作りたい」って思うだけじゃなくて、小さくていいから自分で作ってみたい。そんな気持ちから作り続けてみています。
京香 自分たちが伝えたいことやりたいことを形にするきっかけの場にもなっているよね。今後もストーリーを伝えながら、お客さんが心ほころぶ新たな食体験を楽しめる「おばんざいと日本酒や」を続けます。
(了)
おばんざいと日本酒や
食とお酒が好きな春那と京香によるユニット。月1回、下北沢BONUS TRACK HOUSEにてイベントを主催。季節や地域ごとのおばんざいと日本酒を出すスタイルをベースに、食事を楽しむ場づくりをしている。そのほか香りなど様々なコラボレーションも行っている。
Instagram: https://www.instagram.com/obanzaitosake/
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