精油のルーツ
エッセンシャルオイルは植物から採られたものですが、小さな遮光瓶に入っている精油は実際のところ、どんな工程を経て自分の手元にあるのか想像したことはありますか?
スーパーに並んでいるお肉のように、単なる消費財として捉えているのと同じで、精油も単なるモノとして捉えていたら、残念だなと思います。
お肉はもともと生き物ですよね。その命をいただいて私たちの食卓に並んでいます。精油は植物の油細胞という組織に入っています。植物が外敵やカビ、ウイルスから身を守るために、もしくは種を遠くにばら撒いてもらうために編み出した方法が、香りで自分の望みを叶えるという方法でした。
植物は動物と違って動けません。種が落ちたその場所が自分の生きる場所です。成長に足りる十分な水があるかも、養分たっぷりの肥沃な土があるかも、運次第です。与えられた場所がもし湿気が多くカビにとって条件の良い環境であったら、植物は自分がカビにやられてしまわないように、カビに対抗する成分を作るようになります。昆虫たちに受粉を助けてもらえるように、甘い香りを出すようになったのも、植物が自分の望みを香りを使って叶えているんです。植物にとっての香りは生きる上でのツールなんですね。
アロマセラピーはその植物のパワーを健康や美容に役立てることを言います。植物たちの生きる力を私たちは拝借しています。
精油のルーツはイメージできましたか?次に疑問が浮かぶのは、その油細胞からどうやってエッセンシャルオイルを取り出しているかということです。
現在行われている主な手法は、①水蒸気蒸留法②圧搾法③溶剤抽出法の3つです。簡単にいうと①は植物を高温で蒸してその蒸気から精油成分を取り出す方法。②は文字通り、植物に圧力をかけて絞り出す方法。③は揮発性溶剤(石油エーテル、エタノールなど)といった溶剤に浸して香り成分を取り出す方法です。
かなりざっくりした説明ですが、詳細を知りたい方は後々更新する記事をご覧ください。