3分で分かる日本酒の基礎:酒器
日本酒を楽しむのに知っておくと役に立つ要点を分かりやすくまとめるこのシリーズ。
酒器が変われば、香りや味の感じ方、そして気分も変わる。今回はそんな日本酒を楽しむ際に大切な酒器のポイントをまとめます。
気分や目的で選べばいい
酒器について調べるとお酒のタイプ毎に、細かくベストな酒器のタイプやその理由などがよく紹介されています。これらの情報は上級者やプロの方にとっては、繊細な香りや味わいを判断するのに必要な知識かもしれませんが、初心者の方にとってはむしろ重荷になってしまう可能性があります。ですので、「お酒を気軽に楽しむこと」を重視しているカミノサケとしては、自分で酒器を選ぶ際には、まずは気分や目的を優先して選んで欲しいと思います。例えば、以下のように選んでみてはいかがでしょうか。
香りや味をしっかり感じたい→ ワイングラス
日本酒という文化を感じたい→ お猪口、ぐい呑み、盃、升
洋食に合わせる→ ワイングラス、ガラスや錫のお猪口
熱燗を楽しみたい→ 陶器、ちろり
ロックで飲みたい→ ウイスキーグラス
サワーで飲みたい→ タンブラー
いろんな酒器を持っていると、その時の気分や食事に合わせて日本酒を飲むのが楽しくなるので、気軽に自分なりの方法で色々と試してみて欲しいと思います。これは、視覚的な印象が大きなポイントですので、好きなデザインやオシャレなものを選んでみるのがいいと思います。
とはいえ、やはりいい日本酒を買った際など、日本酒を主人公に酒器を通じてもっと香りや味わいを楽しみたい時もあると思います。そのような際に、知っておくと役立つポイントを次にみていきましょう。
香りや味に影響するポイント
美味しい日本酒はどの酒器を使っても美味しいのですが、各商品の特徴によって、より美味しさを感じるために適した酒器はあります。そして、これは視覚というより味覚、臭覚、触覚を重視した選び方になるでしょう。その際の酒器選びのポイントは、形状と素材に分類されます。
形状による香りの感じ方:空気の対流、空気と触れる面積
ラッパ型、チューリップ型、ストレート型、つぼみ型などなど、いろんな形がありますが、ポイントしては、空気とお酒がどのぐらい触れるか(酸化)、また空気がこもるか、外に広がっていくかという点でしょう。香りは感じる味わいの大きな要素ですので、形状による香りの感じ方は一番大きく影響するポイントです。
形状による味の感じ方:お酒が舌の上をどう流れていくか
フォルムのデザインや厚み、口径の長さや形などにより、飲む量やスピード、広がり方が変わります。例えば、高さのある酒器だと飲む際に首を上に向けるため顔の角度が急になり舌の先端から奥まで一気に流れ、低い酒器だと角度が水平になり舌の中央から、奥や横に広がるといった様子です。また舌は位置によって感じる味が違う(味覚地図)とも言われていましたがこれは誤りで、舌のどの部分で味わうかというのは関係ないことが分かっています。
素材による味の感じ方:触感
陶器、漆器(木)、ガラス、錫などがあり、それぞれの素材による触感、厚さ、温度が味わいに影響します。
素材による香りの感じ方:香りがあるか
檜の升のように素材自体に香りがあると、お酒自身の香りを感じるのが難しくなる場合があります。また洗剤の洗い残しなどにも気をつけましょう。
もう少し詳しく知りたい方は、こちらのサイトによくまとめてあるので参考にしてみてください。またワイングラスのブランドとして有名なRIEDELは日本酒グラスのセミナーも開催していますので、こういったセミナーで味の違いを体験してみるのもオススメです。
酒器を楽しむためにオススメの第一歩
日本酒といえば、お猪口というイメージがあると思いますが、特に初心者の方にはワイングラスで飲んでみることをおすすめします。香りや味を感じやすいということもそうですが、日本酒の印象が変わると思います。ワイングラスは洋食と合わせる際に見た目的にも違和感なく楽しめ、日本酒の世界が広がると思います。
いくつか違う酒器を持っていると、同じ商品でも味わいの変化が体験でき、楽しみの幅が広がります。またインテリアとしもオシャレなものなので、まずはワイングラス、お猪口、盃の3種類から揃えてみてはいかがでしょうか?(かくいう私も参加したイベントやお酒についていたおまけでこの3つは揃えました笑)
右)三軒茶屋のマルコのペアリングイベントに参加した際にもらった盃
中)竹の露酒造場の白露垂珠を買った時についていたアマビエのお猪口
左)どこかのワインイベントに参加した際にもらったワイングラス
同じお酒でも、この3つの酒器で飲み比べてみると、香りや味わいが変わるのが分かると思いますので、ぜひ一度お試しください!
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