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その時はもう戻らない【きゃ日記vol.59】
おはこんばんち、きゃめろんです。
3.11
朝5時頃に変な揺れのせいで目が覚めた。
その揺れは、あのときの出来事を想起させるかのようなモノだった。
動揺して起き上がった途端に
1.8mの高さから10年使い続けた時計が地面にまっすぐ落っこちていった。
ッカーン
という音で、重い瞼が一気に上へ持ち上がった。
見た目に支障はなかった。
しかし、落としたときの衝撃で、時計の針がうまく作動しない。
針の先が重力に負けてずっと6時30分ののまま。
10年間
どんな時も自分を起こしてくれた。
部活のために向かう始発電車に間に合うように。
1時間目の授業に間に合うように。
4駅先のバイト場所に間に合うように。
新卒の研修時間に間に合うように。
大切な人との待ち合わせに間に合うように。
そんな間に合うようにしてくれた存在がいたのにも関わらず
常に10分遅れる自分がいた。
その日は、回らない寿司屋へ先輩に連れて行ってもらいました。
誰かに強制されたわけでもなく、自然に待ち合わせの10分前には着いていて
新しい自分になった気分でした。
あの時計の存在は、欠かせないものだったのだけど
いざ無くなった今は、存在を胸の奥底にしまっておきながらも
自分が自分の足で前に進まないといけない、という
そんな気分になりました。
忘れたくない、忘れられないものを海馬の隅っこに
今という時間を生きる私は、とにかく生きることに一生懸命になるしかないのです。
とろたくが美味しかった。ごちそうさまでした。
P.s. あの時計を越せる時計に出会えるのだろうか。色々と変え時みたいです。