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フィルムカメラ CONTAX T2でDXコードのないフィルムを使う方法

一般的な大手メーカー製カラーフィルムはDXコードというフィルムの感度情報などをカメラに伝える規格の製品がほとんどです。
しかし、最近販売している新しい銘柄のフィルムや海外製のモノクロフィルムにはDXコードが無い製品も多数あります。
DXコード対応の自動カメラには手動でフィルムのiso感度を設定できない機種もあります。この数年人気で価格も高騰している1990年発売高級コンパクトカメラCONTAX T2などもそのひとつです。

それではDXコード付きのフィルムとそうでないフィルムの違いを見てみましょう。

DXコードとはフィルムパトローネに印刷された電気接点です。
ここをカメラ側で通電して設定を読み込みます。
一般的な大手メーカーのカラーフィルムは、裏側に小さくDX表記があります。
左:フジフイルム製
右:コダック製
モノクロフィルムもイギリスのハーマンテクノロジー生産のイルフォードやケントメアーやベルギー製のローライなどはDX表示があります。

写真のようなDXフィルムは、フィルムを装填しただけでDXフィルムに対応したカメラは自動的にフィルム感度に合わせた設定になります。

ではここでDXコードの無いフィルムをみてみましょう。

チェコ製のモノクロフィルム・フォマパンや日本でもメジャーなロモグラフィーの一部の製品、ロシア製のタスマ、ウクライナのアストラム、中国のFilmNeverDieなど中小のメーカー製フィルムや映画用フィルムの巻き直しフィルムなどのパトローネにはDXコードがないものが多いです。

でははじめに紹介した高級コンパクトカメラCONTAX T2のフィルム感度設定方法はどうなっているのでしょう?

使用説明書によるとDXコードのないフィルムを装填した場合、カメラはiso100に設定されると記載があります。

ではiso400やiso200のフィルムをそのまま装填して使うとどうなるか?
iso200のフィルム使用で適正露出+1段オーバー、iso400のフィルム使用で+2段オーバーになってしまいます。
つまりそのまま撮るとiso200でかなり明るく写り、iso400だと露出オーバーでちゃんと写らない可能性があります。

そこでこのカメラの付いている露出補正ダイヤルを使ってフィルム感度に合わせて調整します。

露出補正ダイヤルは使ったことがありますか?
一般に撮影で使っても逆光撮影で+(プラス)方向だと思います。
今回は明るく写るのを抑える目的なのでフィルムの感度に合わせてマイナス方向に使います。
通常DXフィルムを使う場合補正は0が標準です。
DXコードのないiso100のフィルムを使う場合も0が標準です。

露出補正を-1にするごとにiso設定が2倍のフィルムに対応します。
露出補正0でiso100つまり露出補正-1でiso200フィルムで標準露出、
露出補正-2でiso400フィルムで標準露出設定です。

露出補正について詳しく知りたい方は、検索して調べてみてください。
撮影表現の幅が広がります。

CONTAX T2の露出補正範囲は、±2.0の範囲で調整可能です。
つまりDXコードのないフィルムの感度iso25からiso400まで対応できることになります。
とはいっても一般的にiso100未満のフィルムを使う機会は少ないと思いますのでマイナス方向の調整でiso100から400まで使えると考えておけばいいと思います。
ただし、次のフィルム装填のときに調整を忘れるとちゃんとした露出で写らないので注意してください。
DXコード付きフィルム使用のときは0に戻してください。

2022.9.7 カメラのヤマヤ(c.)
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