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コッホ現象からのLTBI治療

前置胎盤というハイリスク妊娠出産を経て早5ヶ月。
ギリ早産の36週6日で生まれ、何の心配もなくすくすく育っていると思っていた。

すごい確率の病気を引き当てていると知らずに……!


予防接種~受診

0日目:予防接種

生後5ヶ月10日、金曜日夕方にBCG予防接種。今までの予防接種で特に副反応が出たこともなく、コッホ現象の説明を受けても「偽コッホがほとんどってTwitterで読んだぞ・・・」と他人事のように聞いていた。いや他人事じゃないからそれ。

3日目:やっぱり変なので受診→紹介状

1日目・2日目、なんか赤くなってきたけど「どうせみんなと同じ偽コッホでしょ」と高をくくる。しかし2日目の日曜夜、赤いだけじゃなく白い膿も出てきており「まあ念のため病院受診しようかな、タダだし」と3日目に接種したクリニックを受診。

受信した際に撮った写真。ピークは過ぎていた

「これはコッホ現象だねぇ~市民病院に紹介状書くね」

え!?!?!?!?

市民病院受診~診断

4日目:胸部X線/血液検査/ツベルクリン

クリニックが翌日の市民病院の予約をねじ込んでくれたのでいざ受診(出産した病院とは異なる)。待合の廊下が暗くてこれぞ昭和の病院!!!誰かに見せたいけど撮影禁止だから残念だな!!と謎にテンションが上がる。

受診は小児科。小児科の先生も結核はほぼ見たことがないのか(結核病棟がある病院ではない)、結核のマニュアルを見ながらの診察。患部の写真を撮られ、検査へ。

小児科は小児科専用の処置室があり、看護師さんに預けて待合で血液検査とツベルクリンの処置を待っていると泣き声が・・・痛いよね・・・

その後は胸部X線、鎮静なしで撮影。立つどころかお座りもできない月齢のため、寝かせた状態で動かないように押さえておくのだが、被曝防止のベストを着て中腰で押さえ続けておくの、マジで腰が死ぬかと思った。大人のように一発で終わるはずもなく、多分4回くらい撮った。

6日目:ツベルクリン判定、診断

ツベルクリンの判定は48時間後ということで2日後に受診。発赤が明らかに10mm以上あったので覚悟はしていたが、ツベルクリン陽性判定と胸部X線異常なしの結果をもって「潜在性結核感染症」との診断を受けた。

ツベルクリン48時間後

潜在性結核感染症とは、結核に感染しているが発症していない状態のことらしい。感染していても発症しない人は多数いるらしいが、赤ちゃんの場合は感染していると発症の可能性が高く、発症予防で6ヶ月服薬、服薬中は副作用が出ていないか月イチで通院ということになった。

ちなみに発症すらしていないので人にうつすことはない(結核は人にうつすレベルまで進んでいると強制入院)。

11日目:念のためのCT

レントゲンでは初見なしだったものの、念には念を入れてCTも撮ることになった。前置胎盤のMRI並みに予約パンパンだったにもかかわらず、先生が翌週に予約をねじ込んでくれた。

CTについてはレントゲンのように抑えるわけにはいかないので、薬で鎮静をかけてからCTを撮ることに。

薬剤科で鎮静のシロップをもらい(待っている間にリハビリで降りてきたおじいちゃんたちに癒しを与えるイベント発生★)小児科の待合で飲ませてベビーカーでゆらゆらすると、飲ませて15分くらいで眠りについた。

小児科の受付から検査科に連絡してもらい、小児科の看護師さんとともにディズニーのファストパス(古い?)もびっくりのVIP待遇ごぼう抜きでCT入室。金属のボタンが付いている服だと脱がせないといけなかったのでGAPのケツクマ着せるのやめて正解だった。CT撮る時はプラスチックのボタンの服がおすすめ。

CT中、検査技師さんたちに「可愛い〜😍」のお言葉をいただき癒しを与えるイベント2回目が発生😘

鎮静薬は2時間くらい起きないと説明を受けていたが、検査が終わって小児科待合に戻ったらぱっちり目覚めて結局30分くらいしか寝ていなかった。VIP待遇じゃなかったらアウトだったやつ……

CT結果は異常なしということで行動制限はなし、服薬治療6ヶ月の方針決定。

服薬

処方内容

イスコチンという抗生物質と副作用防止のビタミンB6を1日1回服用。

離乳食初期の服薬の難しさ

服薬開始が5ヶ月22日からだったのだが、まだ10倍がゆくらいしか食べていないレベルで「粉薬ってどうやって飲ませるの!?」という疑問しかなかった。

離乳食を5ヶ月0日から始めていてスプーンには慣れており、スプーンを舌で押し戻すことはなかったので、少量の水で溶いて無理やり飲ませるスタイルでなんとか無理矢理飲ませた。

最初は口から2割くらい出ていたし、のけぞって薬が目に入ったこともあった。目を洗った上で眼科に行こうにも予約必須の病院と休診日の病院しかなく、結局市民病院の小児科に電話して指示を仰いだりした(目を洗った上で見た感じ異常なければそのままでいいと言われた)。

スポイトも試したがこちらはスプーン以上にうまくいかず口から薬が溢れ出したのでお蔵入り。最近はピジョンの離乳スプーンを使ったり等、未だに試行錯誤の毎日。

子供の服薬について調べているとだいたい「無理に飲ませようとせず飲んでくれたらいいなという気持ちで飲ませましょう」みたいなことが書いてあるが、抗結核薬については薬を飲まないことにより薬に耐性がつくと危険なため無理にでも毎日飲ませる必要があり、LTBI治療はすぐに命にかかわることはないにせよ離乳食初期の赤ちゃんに薬を絶対飲ませないといけないプレッシャー(※保健所フォロー付き)がマジキチイ。

抗生物質用「おくすり飲めたね」はダメ

薬を飲ませる上で、小児科の先生にも保健所の保健師さんにも「おくすり飲めたねとか使ったら飲みやすいのでは?」という提案をもらった。

おくすり飲めたね、離乳食中期の7ヶ月からです。

早く7ヶ月にならないかな〜と7ヶ月になる日を指折り数え、抗生物質用チョコ味のおくすり飲めたねも購入。

しかし原料を見てみると「ココアパウダー」の文字が・・・ココアパウダーにはチラミンが含まれているからもしかしてダメ?

生後7ヶ月の処方の際に薬剤師さんに聞いてみたところ、やはりダメと言われてチョコ味のおくすり飲めたねはお蔵入り。別の味のものならいいと言われたものの、抗生物質をチョコ味以外で飲むとさらに苦くなって意味ないらしいと公式ホームページで読んだので「あっそうですか・・・(スン・・・)」となった。

なお8ヶ月の処方の際には別の薬剤師さんから「おくすり飲めたね使ってます?」と聞かれて「はい~~~!?」となった。前月NGが出た話をするも、心の中はスン・・・って感じ。

チラミン、ヒスチジン含有の食材について

いきなりチラミンの話が出てきたが、イスコチンという薬はチラミン、もしくはヒスチジンを含む食品を摂ると副作用が出る可能性がある。

チラミンはチーズ、ワイン、レバー、そして前述のココア等。ヒスチジンはまぐろ、いわし等の青魚に多く含まれる。

となると気になるのは離乳食。我が家はほとんどベビーフードを食べさせているが、特に鉄分多めの商品は必ずと言って良いほど「レバー」「まぐろ」のどちらかが含まれている。

主治医の先生(本来の専門は小児栄養とのことなので離乳食についてはまさにプロ中のプロ!)に聞いたところ、通常のアレルギー要注意食材と同様、最初は少量から、病院のあいている時間にあげる、新鮮さが落ちるとヒスチジンが増加するので新鮮なものをあげる、の3点を注意すれば避ける必要はないとのこと。

また、数々の結核患者を見てきた保健師さんも「ほとんどの方は治療中も食べ物を気にせず生活している」とのことだったので

ひとまず現時点では離乳食中期のため、レバー/ツナ/まぐろ入りのベビーフードをそれぞれ試してみた。現時点では特に問題なさそうで安心している。

保健所とのやりとり

DOTS

前述にて「保健所のフォロー」という話が出てくるが、潜在性結核感染症であっても結核患者として診断された時点で病院は保健所に届け出る必要があり、服薬や通院は保健所からフォローを受けながら実施することになる。

服薬については保健師さんとの面談のたびに、DOTS手帳という服薬手帳(飲んだら毎日記録する)と、薬の空袋を持参してチェックしてもらうことになる。

手帳はともかく、薬の空袋については本当に紛失しかねないので空袋入れを作り、飲んだら入れていく運用を作った。面談の日になったら袋ごと持参し、数えてもらったら持ち帰って中身を捨てるという流れでいまのところうまくいっている。

食洗機の裏に貼ってます

面談については、最初のうちは頻繁にやりとりしていたため保健所へ行ったり家に来てもらったりしたが、いまは受診日に保健師さんと病院で待ち合わせて診察にも同席してもらったり、受診前後に待合で面談している(病院の近くに保健所があるため)。

面談をスムーズに進めるために

いまとなっては服薬状況の確認がメインで月1回の面談になったが、最初は接触状況の確認等で保健師さんと頻繁にやりとりしていた。育休中だからなんとかなったものの、それでもスムーズにやりとりできたとは言いがたい。

もし同じように診断された場合、わかる範囲であらかじめ下記をリストにしておくと説明が早いと思われる。

  • 誕生~BCG接種までに会った人の名前

  • 生年月日

  • 住所

  • 会った日時

  • 会っていた時間

  • 結核感染歴有無

私たちの場合は、当初は会っていた時間で接触者検診の対象者が絞られていたが、結局最終的には「会った人全員検査」という話になり(上司にひっくり返された??)親族一同総検査という大事に・・・

また、Excelやメールが使えることをさりげなくアピっておくと、育児で忙しい最中に電話や面談を繰り返さなくてもよくなり、結果的に楽になるような気がする(それでも結構何度もやりとりしたが……)

現在

経過観察中(2024年9月現在)

月1回市民病院で小児科を受診中。副作用が出ていないかの血液検査が毎回ではないが定期的にあり、その度にギャン泣き声が聞こえてくるが、私自身が幼少期体が弱く点滴しまくりマンだったのでこんなに小さいのにごめんね……みたいな気持ちが湧いてこなくてごめんなさい。

服薬が完了した先のことはまだわからないので随時追記していきたいと思います。