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君と過ごしたDecember

早いもので、不妊治療デビューして1年が経った。

上記の記事の後の妊娠判定では妊娠しておらず、11月に再度凍結胚移植をした。グレードは5AB。

君と過ごしたDecember

2022/11/26 4w1d

この日の妊娠判定で、初めて陽性となった。

体外受精の場合は採血でHCGというホルモン値を測定し妊娠判定をする。採血から1時間ほど経って診察室に呼ばれると、机の上の紙にはHCG 47.3という文字が記されていた。

先生いわく、妊娠はしているが、今日の時点でこのホルモン値だと、私の年齢の場合出産まで至る可能性は13%とのことだった。

じゃあ残りの87%が何なのかというと、

  • 胎嚢が確認できない(いわゆる化学流産)

  • 心拍が確認できない

  • 心拍が確認できたが、12wまでに止まってしまう

のどれかとのこと。

まあそれでも1度も妊娠にかすりもしなかった自分としては一歩進んだな、と思った。

この日あたりから夕方から異様に眠気がくるようになった。

2022/12/03 5w1d

いつも通りエコーをすると胎嚢らしき何かが見えた。ただ小さい。

小さすぎるので再度血液検査となった。HCG700台。伸び率としては悪くないとのこと。

もう一度胎嚢確認をするために再度受診となった。

2022/12/07 5w5d

やはり胎嚢とのこと。ただ小さい。来週心拍確認のために来院指示を受ける。

2022/12/14 6w5d

まさかの心拍確認できた。ただ小さい。来週週数相当になっていないと厳しいというお言葉をいただく。

つわりっぽい何かが始まり、特に夜の空腹が耐えられなくなってくる。ただ吐いたりはしないのでまだマシなほうだった気がする。

2022/12/21 7w5d

前回から2mmしか育っていない(この頃は1日1mmが目安)。心拍も見えなくなってしまった。流産の可能性が限りなく高いとのこと。

2日後に確定診断をしましょう、と言われた。

この前日からつわりのレベルが1段階アップしたのだが、多分レベルアップした頃にはすでに心拍は止まっていたと思う。思わせぶりなのが夫に似ている。

2022/12/23 8w0d

流産の診断が確定した。

自然排出を待つか、手術をするかの選択を迫られた。

事前に夫とも話していて「トイレで排出したら流すしかないってこと?それはかわいそうだよね・・・」という話をしており、手術のつもりでいたので「手術ならいつできるんですか?」と聞いたら「もう今年中なら明日(クリスマスイブ)しかないね」と言われた。

また、手術なら染色体検査に出すことができるとのことだった。

「もうちょっとお腹の中にいてほしいな・・・」という気持ちより「はやくつわりなくなって寿司食いたい・・・」という気持ちが勝ったので、明日でお願いしますと言ったら即事前処置となった。

事前処置というのは、出産経験がないと子宮口が開かないので子宮の入り口を広げるためにラミセルという水分で広がる器具?を入れるのだがこれが

クソ痛い。

痛すぎて歩くのが精一杯で、会社の最寄りに置いた自転車は放置してタクシーで帰った。

13:30くらいに入れたのに、家に帰ってからも17時くらいまでずっと痛くて悲しみを感じる余裕もなかった。

22:00以降絶飲絶食で、さらにお寿司への気持ちが募る。

2022/12/24 8w1d

朝8:10来院指示があったので夫に車で送ってもらった。

相変わらず空腹で寿司のことを考えていたが、車の中で聞いていたテレビ音声で高橋優の「明日はきっといい日になる」が流れてきてうるっとくる。

到着すると採卵と同じように手術着に着替え、採卵と同じように点滴と心拍確認する機械と血圧計をセットされた。

手術時間は10分程度。採卵と同じくらいの時間ということは、同じような麻酔の効きだろうから術中に起きたり痛みを感じることはないだろう、と思うと、ビビリの私でもほとんど怖さはなかった。

麻酔入れますね~と言われ、「次起きたらもういないんだな・・・」と思いながら意識が飛んだ。

1ヶ月前に移植したのと同じ部屋で、私の子宮からあのとき移植した胚から育った赤ちゃんが去っていった。

君のいないDecember

メリークリスマ寿司

採卵と同じようにベッドに乗せられる瞬間に意識が戻った。イメトレ通りだ。相変わらず意識はぼんやりしているがトイレに行きたいのでナースコールを押す。

トイレに行って帰ってきて再度ベッドに横になると、なんだか左腕が冷たい。どうやら点滴が抜けてしまったようだ。

ベッドを移動することになった頃には意識はかなり戻っていたので携帯を取り出してとりあえず回転寿司屋のインスタを見始めた。感傷にも浸らせないから空腹って怖い。

術後2時間経って診察室に行き、ホルマリン漬けのポリープを見せられてまぎらわしいな!と思いながら診察終了。

終わった後のお寿司は最高に美味しかった。

夢だったのかなと思う日々

手術をした途端につわり症状が一切なくなり、腹痛はありつつも普通の生活に戻った。

術後2日目に内診エコーを見たら赤ちゃんがいなくなっていて、いなくなっちゃったんだなあと悲しくなった。その日はホルモンバランスの乱れもあって泣いたけど、何が具体的に辛いかは今でもよくわからない。

なんだかこの1ヶ月は夢だったのかなと思う。

成長が遅かったからこそ不妊治療→この週数で流産の人の中でもエコー写真は多い方だと思うが、エコー写真は感熱紙なのでそのうち消えてしまう。

「君の名は。」みたいに思い出せなくなってしまうのだろうか。なんだか寂しい。

術後の薬を飲むときにだけ「妊婦だったけど妊婦じゃなくなったんだぞ!」ということを無理矢理思い出させられていたが、これも飲みきった。

この薬を飲むたびに「妊婦じゃなくなった」ことを自覚させられる

保険金でジュエリーを買う

夢オチじゃなかったと証明するために、流産手術の費用と保険金の差額がプラスになるのでそのお金で何かジュエリーを買おうと思っている。

発想がおかしい?いやテンション上げてきたいし!ね!

またジュエリー買ったらnote書きます!

2024/1/18追記

1年越しでジュエリー買ったnoteを書きました。