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雰囲気で不妊治療をやっている

自分で見返してもむちゃくちゃなタイトルだ。でも今の心情としてはそんな感じ。

今日、自然移植周期で胚盤胞(受精卵を5日程度育てたもの)を移植した。グレードは6BB。

2ヶ月前に採卵したのと同じ部屋で、私の子宮にあの時採卵した卵子が戻っていった。

体外受精に進んだきっかけ

前回の投稿以降、人工授精を3回行った。3回ともダメだし3回目は判定日前からもうこりゃダメだ、と思った。人工授精は一般的に6回やってもダメならもう見込みがないと言われているが、3回目で限界を感じた。

弊社の有給の切り替わりは9月16日。どうせ消える有給なら採卵のために使おうと心に決め、3回目の人工授精がダメだった時に「今月採卵したいんですけどできますか?」と聞いた。

クリニックによっては採卵周期に入る前に色々な検査をしたりしてすぐに入れないこともあるらしいが、私のクリニックは問題なし。聞いてから2週間後には採卵が終わっていた。

有給の切り替わりタイミングをきっかけに体外受精に進むなんて、雰囲気で不妊治療をしているからこそのきっかけだ。自分の意思で進もうなんてことはない。いつでも雰囲気とか他の要因が私の不妊治療のコマを進めてくれる。

雰囲気でも辛いことはある

雰囲気で不妊治療をしているので、「子持ちの友達と会うのが辛い」とか「妊婦さんを見るのが辛い」とかは一切ない。そもそもそのような状態だったら病院に行くのも辛いと思う、今のクリニックは二人目不妊歓迎で子連れの方も多いので……

ただ、仕事との両立と自己注射は別。

特に採卵前については、今日病院に行ったら明日も来てと言われ、明日も仕事を休まなきゃいけないみたいなことが普通に起こり得る。私は突発休みが増えた段階で直属の上司には事情を話したが、他の人たちには話していないので原因不明の体調不良説が色んな部署に流れた。ズル休みと思われてなければもう何でもいいよ、という気持ちになった。割り切らなきゃやっていけない。

移植も通っているクリニックが自然周期移植推しだったので、スケジュール調整が大変だった。排卵日が確定するとその●日後に移植といった形になるが、その排卵日を決める(ある程度のコンディションになったら注射を打つと約36時間後に排卵するので「決める」という表現になる)時期に出張が重なり、あわや今周期キャンセルの危機に瀕した。なんとか合間の日に病院に行き排卵日確定、今日を迎えることができた。いつだってスケジュールは綱渡りだ。

また、採卵前や移植前には自分で注射をするという非常に苦痛な行為をしなければならない。特に採卵前は毎日のように注射する。もちろん教えてもらってやるので手順については心配ないのだが、とにかく苦痛。ピアスの穴開ける時ってこんな気持ちなのかな?開けたことないからわからないけど。

雰囲気でもいいじゃない

ここまでやっても絶対に子供が欲しいというほどではないというのが正直なところ。

たまにTwitterの不妊治療界隈を覗いてみたりもするが、熱量が違いすぎるなあと思う。私が移植1回目だからだろうか、いや多分私の熱量が低いだけだ。

そりゃ始めたからには薬をちゃんと服用したり通院スケジュールにコミットするのは当然のことだけど、移植ジンクスでマックのポテト?何だそりゃ今日はマック食べたい気分じゃないんだ。いや不妊治療クリニック通い始めてから近くのマック行きすぎてマック飽きたんじゃ。移植後はカツオのタタキ定食食べました。

私の中では不妊治療をして子供を授かるのは、ある意味大学受験に向けて勉強するのと似ているのかなと思う。別に大学に行かなくても生きていけるけど、今の日本ではそこで頑張るかどうかが後で取り返せない差になる傾向にある。歳を取ってから「あのとき勉強しておけばよかった」と思う人は少なくないと思う。子供に関しても、今はどちらでも良かったとしても50〜60歳になった時に「子供欲しいな」と思っても実子はもちろんのこと、特別養子縁組ですら年齢的に厳しくなってくる。雰囲気でもやっておいたほうがよさそうと思うことは結果はどうであれやってみたほうが後悔しないと思うので。

しかし保険適用前なら「雰囲気」なんて言ってられないようなお金がかかり、もっと金銭面のストレスが大きかったのかなと想像すると保険適用には感謝しかない。適用になると決まった頃にはこんなにどっぷりお世話になると思っていたかった。

保険適用になったことによって想像以上にお金がかからなくなったので、もっと雰囲気で不妊治療してもいいんじゃないかと思うし、お金さえ許せばなんとなく雰囲気で不妊治療してもいいじゃない。子供がとっても欲しい人だけがやることじゃないところまでハードル下がったんだし。

そもそも自然妊娠ならみんな雰囲気でそういう行為に持ち込んで、その雰囲気で妊娠するんだからさ!笑

というわけで、月末の判定日まで普通の生活を送りたいと思います。