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陸自と海自に挟まれて飲んだ日

この記事を読んで、8年前の今頃に函館に一人旅をした時にふらっと屋台に入った時のことを思い出した。

入ったお店のマスターは当時の私より年下の海上自衛隊OB。

最初は店内は私1人だったが、ちょうど海自の戦艦が函館のドッグに入っているらしく、高校の部活の後輩とその同期がこの後遊びに来るとのことだった。

その後海自メンズが来店。会話の中で出てきた「高校の後輩が自衛隊に入る」「親も自衛隊」というところに私はちょっと驚きと気づきがあった。

海自の彼らの出身高校は東北の自衛隊の拠点がある、とある僻地(詳細は伏せる)。高卒で収入があり、安定した職業に就くなると自衛隊は割とメジャーなようだ。

一方で愛知県出身の私からすると、中学生時代の同級生で高卒の就職先といったら製造業の現場がメインである。

自衛隊より収入があるかと言われると大手か否かに左右されると思うが、少なくとも彼らのようにソマリアに行ったり、有事の時に戦わなければならないみたいな身の危険はないし、たとえ先輩が厳しくともほとんどは自衛隊の上下関係に比べればマシであろうし、艦隊に入りいつ帰れるかわからないどころか基本的に実家から通い週末は友人と遊べる。

同じ学歴であっても生まれ育った場所でこんなに見えている選択肢が違うのか、と思った。

これは私が愛知県でも自衛隊の基地が遠い場所、かつ製造業がとても強い地域で育ったので小牧とか春日井あたりだとまた話は違ってくるのかもしれない。
ただ、そのあたりも製造業はたくさんあるので選択肢としては見えているはず。

もしかして生まれた場所によっては、生きていくためにこのような親から見たら危険な選択をすることになっているのだろうか。

もちろん本人たちも誇りを持っているだろうしとてもすごい仕事だと思うけど、選択肢がたくさんあったら本当に選んでいるのだろうか。

そんなことを考えて飲んでいたら、マスターの呼び込みで入ってきたのがまさかの陸自の元レンジャー隊員のベテラン2人組。小さな屋台で海自と陸自に挟まれて飲むという希少な経験だった。会話は弾み、最後にガタイのいい自衛隊員に守られたような集合写真を撮った。

なんかうまく言えないけど、色々と考えさせられたなあ、と思いながらホテルに戻った。

私が一人旅した中で、人生で一番ハッとさせられた出来事。インドは行ったことないです。