見出し画像

図書館

本に囲まれていると、幸せな気持ちになる。
小さい頃から本を読むのは好きだった。中学生くらいになると、デパートの本屋や地元の古本屋で1時間も2時間も時間を潰すのは当たり前になっていた。
お小遣いにも限りがあり、でも読みたい本がたくさんあった私は、どうしても読みたかった小説を、立ち読みだけで読破したこともある。(ごめんなさい。)

しかし、かつてはもっぱら『本屋派』だった私も、近頃は『図書館派』になってきた。

地元の図書館は、駅から少し坂を上ったところにある。割と新しく、きれいで良い施設なのだが、どうにも坂を上るのが億劫だった。

大学受験の時には自習室を利用するためによく通っていたけれど、社会人になってからは数回絶版になってしまっている本を借りに行っただけで、足繁く通うことはなくなっていた。

そんな私だったが、ほんの2か月ほど前、本当に久しぶりに地元の図書館に足を踏み入れた。
改めて感じた、幸福感。あぁ~。やっぱり図書館好きだなぁ~。と再確認した。

そして気づいた。私はこれまで、図書館の事を何もわかっていなかったと。

読みたい本は本屋で見つかるから、と図書館では探す素振りすら見せなかった過去の自分を叱ってやりたい。

めったに行くことのなかった図書館の2階が何となく気になり、階段を上った。
小さい頃に何度か行ったことはあったが、難しい専門書や過去の新聞ばかりあるイメージだった。しかし、そんなものはただの思い違いだったと気づかされる。

日本だけでなく、アメリカ、フランス、韓国などの世界中の小説の数々。大型の本屋ですら探すのが困難な戯曲達。大きな本棚にすら入りきらない伝記や歴史書の山。

ここは楽園なのか・・・?そう言ってしまいたくなるくらい、自分好みの本たちが勢ぞろいしていた。

気づいた時には片手では持ちきれないほどの本を抱えていた。しかし冷静にならなければいけない。一度に借りられる本は10冊だが、貸出期間は2週間、途中延長手続きをすればさらに2週間。その間自分が満足いく速度で、どのくらい読み進められるのか?

本たちとにらめっこしながら、自問自答を繰り返した私は抱えていた中から4冊ほどを激選しておうちに連れて帰ることにした。しかしやっぱり我慢できず、図書館に隣接しているドトールに直行してしまったのだが。

自分がここまで本を好きになるとは、思ってもいなかったけれど、やっぱり本を読むのはとても楽しい。いつか自分の家を持てるようになったら、お気に入りの本たちを集めて小さくてもいいから自分だけの図書室を作ってみたい。

家にそんな素敵な場所があったら、ますます外に出なくなってしまうかもしれないけれど。
そんな妄想にニヤニヤしながら、今日も私は本を開く。

いいなと思ったら応援しよう!