僕とアジカン
ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン・カンフー・ジェネレーション)は、日本の4人組ロックバンド。略称「アジカン」「AKG」。所属事務所は、Spectrum Management。所属レコード会社はキューンミュージック。(Wikipediaより引用)
アジカンは19の歳、一浪の頃に予備校の友人に勧められて聴き始めたのが最初でした。
受験の日、受験会場に向かう横浜線内、駅から歩く道中も聴いていたのを今でも思い出します。
『崩壊アンプリファー』、『君繋ファイブアム』、を聴き、そして『ソルファ』が1番好きで聴いていました。
上記3枚の好きな点は一曲目の爆発力。
「遥か彼方」の始まりを告げる疾走感、青さ。
「フラッシュバック」のスピード感ある荒々しい攻撃性の裏に感じる弱い自分。
「振動覚」の彼らがたどり着いた日本語ロックのひとつの最適解。
アルバムは最初の1、2曲が大切だと思っていますが、アジカンの上記3枚は1曲目からしっかり掴んで最後の曲までしっかり連れて行ってくれた感覚があり、『ソルファ』に至ってはマイベストアルバムのひとつだと思っています。
その後リリースされた「ブルートレイン」はどうもピンと来ずに僕のアジカンは『ソルファ』で一度完結しました。
しかし2010年。
僕は「ソラニン」に出逢います。
漫画原作で映画化された同名映画、「ソラニン」。
僕は原作漫画を読んだことはなかったので、映画を先に観ました。
当時、フラフラとフリーター生活を続けていた僕は作中で描かれていた青春、大人になりきれない彼らに身を重ねては涙しました。
その劇中終盤で演奏された「ソラニン」は嗚咽混じりに泣きながら観た記憶があり、今でもあのシーンは無理です。泣いてしまいます。
(SUPER BEAVERもこの映画に曲提供していたと知り、震えるのは10年後のことですが、これはまた別の話の時にでも…)
そしてエンドロールで流れる「ムスタング」。
僕の中の、僕が求めていたアジカンが復活した感覚でした。
その後、アジカンをサラッと浚いましたが『ソルファ』と『ソラニン』の牙城を崩す曲には出会えませんでした。
(寂しさの反面、今後、また何に感銘を受けるか分からないので、楽しみ反面な気持ちです。)
僕は勝手にアジカンに、遅れてきた青春、大人になりきれない不甲斐無さを重ねています。
燻り続ける気持ちは、大人になるにつれ忘れていき、いつしか無かったことのように生活していく。
そんな時にアジカンを聴くと、あの頃の感覚を掘り返されては突きつけられる、自分の置いてきた気持ちとの対話を迫られては、震え、また明日から日常との戦いが始まる…そんなサイクルを与えてくれる大切なバンド、音楽です。
目を背け、逃げ出したくなる時の方が多い昨今。
アジカンは僕に「まぁ、仕方ないしこの曲でも聴いて頑張れよ。お前のロックはそんなもんか。」と言ってくれているような気がします。
追記
最近、YouTubeのfirst takeにアジカンのソラニンがアップされました。
今の彼らが鳴らす「ソラニン」。
始まる前のゴッチの話が素敵すぎて、涙したのはここだけの話にさしてください。
6弦の三フレット 刻むマイギター 心だけ 震わせたいだけ