面白さもロストした。
キムタクが如く2作目のロストジャッジメントの感想。結論は駄作。その理由について書いていく。バンバン、ネタバレをしていくので、未プレイの人は読まない方がいいと思う。プレイ済みの人は自分の感想と照らし合わせてみて。
①いじめという扱いづらい作品テーマが良くない
正直、いじめというテーマは扱いづらい。どう転んでも、ハッピーエンドになりにくいし、前作のジャッジアイズのような晴れやかな気持ちになる終わり方をしないだろうなとなんとなく感じていた。
実際、今作のエンディングはスッキリしたという感じではなく、ここで終わるのか?というヌルッと終わった感じだった。
自分的にはいじめは事件の発端にすぎず、そこから壮大な政治や経済の大事件に発展していくみたいなストーリーのが楽しめたと思う。
②桑名仁に魅力がない
山本耕史こと、喜多方先生こと、桑名仁に魅力があまりない。プレイ前は今作の八神の相棒となりそうな雰囲気がムンムンだった。なんか男臭い感じも海藤と似ていて、八神と気が合いそうだな、と感じていた。しかし、プレイしていくとその印象からはどんどん離れていった。
ストーリーを進めていくと掴みどころがなくて、敵か味方かもよくわからないどちらかといえばミステリアスなキャラクターだった。
そして、彼は自分が担任していた生徒のいじめによる自殺から、いじめの加害者を殺しまわっていて、今までの合計で7人の殺しているという衝撃の事実が明かされた。つまり、彼は捕まれば極刑は免れない大犯罪人であった。
そうなった経緯が経緯なので共感できる部分もゼロではないが、そんな大犯罪人が八神たちと親交を深めて、共闘するような展開は正直疑問に思った。
この事実が発覚してから、桑名がどんなにいじめに対して確固たる信念をもっていても、どんなにまともなことを言うシーンがあっても、でもお前7人も殺してるじゃん?というのがプレイしている自分の頭から離れることはなかった。
結局、桑名仁は言ってることはまともでも、行動が狂気的すぎて、自分の中では魅力的には感じなかった。
③終盤の展開
楠木玲子の息子充が目を覚ましてからの展開にどうも納得がいかない。充が目を覚ましてから一度は楠木玲子は桑名仁を裏切り、彼を公安に売る。しかし、その後彼女はいじめ加害者の川井の死体と桑名と八神の最終決戦をみて、これまでの桑名の思いを受け止め、心変わりして今までの罪を認め、自首する、という展開。
しかし、充が目を覚ましたということはこれからは今までよりずっとお金がかかるようになるはずだ。リハビリ代、薬代、社会復帰にかかるお金は植物状態の時より、何倍もかかるはず。
それなのに、楠木はそんな簡単に厚生労働省の事務次官所謂官僚のトップから殺人を犯した犯罪者に成り下がることができるだろうか?いやできないはず。
どんなに桑名が苦しい思いを抱えていても、その中で澤陽子という人間が犠牲になったとしても、ずっと眠っていてやっと目を覚ました充を優先するに決まっている。それが親心というものだ。
少なくとも自分が楠木なら絶対に自首しない。これからのお金のために事務次官という地位は絶対に必要だし、そしてやっと目を覚ました息子のこれからを考えても、何があっても、自首しようとはならないはずだ。
④八神の澤ハラ
これが一番しんどかった。江原や桑名や楠木と対立するたびに、しかしお前らの正義のせいで澤先生は死んだと毎回言う八神が本当に不愉快だった。お前、それしか言えないのかと何度も画面の外から突っ込んだ。
そもそも、誰かの正義によって誰かが犠牲になるのなど当たり前のこと。戦争などがそれの最たる例だろう。
現行の法律だって、大多数の人間が決めた不完全な正義であって、実際に見捨てられて死んだ人だって山ほどいるはず。しかし、そこには目をあてず、個人の正義をだけは批判する八神がただの偽善者にしか見えなかった。
以上の点から駄作という結論になった。正直、民放でやってるおもんないドラマって感じだった。