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【雑文】金正男暗殺事件とカンボジア

クアラルンプール国際空港でちょっと回想。

2017年に金正男が暗殺されたのが、ここターミナル2だった。前日は市内中心部の5星ホテルに宿泊し、死亡時にも大量の現金を持っていた彼が、 LCC専用のターミナル2を訪れたのには理由があった。

死亡時の金正男の所有物。大量の現金が確認できる。

彼は中国の庇護のもとにマカオに拠点を構えており、家族と住む自宅のほかに愛人の住むコンドもあった。クアラルンプールからマカオへ直行便を飛ばしているのは、ここから出発するエアアジアだけだった。

アメリカの工作員と接触したランカウイ島からクアラルンプールに戻った後、マカオに戻るとの情報が漏洩していたようだが、どこまでの詳細が漏れていたのだろう。唯一の直行便を利用すると推測されていたのかもしれない。クアラルンプールには愛人を同伴することも多かったと言うが、なぜかこの時は単独行動をとっていた。

あれから早7年、事件現場を初めて訪れることができた。あの日、自動チェックイン機の前でVXを塗布され、空港のインフォメーションカウンターで「誰かが背後から掴みかかり、顔に液体をかけられ」「液体を含んだ布を顔に被せてきた」ことを報告していた。その後医務室まで自力で歩いたが、容体が急変し死亡した。

クアラルンプール国際空港第二ターミナル

北朝鮮の工作チームは、暗殺を綿密に準備していた。実行犯の1人はベトナム人で、北朝鮮工作員にドッキリカメラの仕掛け人の仕事だと騙され、カンボジアのプノンペン空港で予行演習を行っている。その当時、工作員が手配し宿泊していたのは王宮裏のOKブティックホテルだった。当時入手した宿泊リストのうちの1ページを公開する。

指揮をしていた人物は、プノンペンの北朝鮮大使館にいたと言われている。カンボジアには、金正日の主治医だったフランス人医師や、正男と近しい親族もいるとの噂もある。因縁とも言えるカンボジアとの色々な繋がりも興味深い。

プノンペンにある北朝鮮大使館


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