【日本とカンボジア】友好70周年記念オンライン・レクチャー・シリーズ第3回「日本政府アンコール遺跡救済チームによるアンコール遺跡保存修復の取組」
日本人会シェムリアップ支部と在シェムリアップ領事事務所共催による日カンボジア友好70周年記念オンライン・レクチャー・シリーズの第3回目として、早稲田大学名誉教授・博物館明治村館長の中川武先生を講師として「日本政府アンコール遺跡救済チームによるアンコール遺跡保存修復の取組」と題するレクチャーが開催されました。
中川先生は、比較建築史、文化財建造物の保存修復技術の研究を専門とし、日本政府チームの団長としてアンコール遺跡の修復、研究に長年取り組んでいらっしゃいます。日本政府チームによるアンコール遺跡の保存修復の取組について貴重なお話を聞くことができる良い機会でした。
バイヨン寺院の本尊であったと推察される仏陀坐像の再安置について、中川先生から計画を語られたのが印象的でした。
こちらのドローン映像は、その再安置を模した、時を経て、本尊がバイヨンへと飛んで戻るような映像です。---
この仏陀坐像に関する参考情報を、以下記します。
1933年にフランス極東学院がバイヨン寺院中央塔直下坑を発掘した際に、この仏陀坐像は7つの大きな破片として発見されました。ジャヤバルマン7世の治世から数十年後、廃仏の機運が高まりヒンドゥー教へと改宗された際に破断され、中央塔の地下深くに投棄されたと推察されます。フランス極東学院によって修復が行われ、王室の指導のもと現在はヴィヒア・プラムピー・ロヴェーン寺院に安置されています。カンボジア史上最大の英雄によって、繁栄するクメール帝国の中心たる護国寺の中央に鎮座した、国家の繁栄と栄光の象徴たるこの仏陀像。現在はその存在を知る人も少なく、静寂と共にあります。約一千年の悠久の時を経て、バイヨン寺院の中央塔に再安置する計画が、日本の支援で計画されています。
当ブログは「にほんブログ村」のランキングに参加中です。1日1回のクリックにご協力ください。