ボクにとっての初めてのデジタル画像
ボクが初めてデジタル画像というものを知ったのは、小学生か中学生の頃だったかと思う。そして最初に手にしたデジタル画像は、たったの247画素であった。
当時の画像データは残っていないが、頭の中のおぼろげな記憶からデータを復元してみると、だいたいこんな感じだったかと思う。
0000000000000000110000000000000000101000000000000000101100000000000000100110000001111111111001000001100000000000110011110000000000010011000000000000001111110000000000001000111111111111111000000000001100000100000000000001110010000000000000001110000
(247文字)
少し話が変わるが、当時、天文学者カール・セーガン博士の宇宙番組「COSMOS」が放映され、ボクたち少年少女は、無人探査機から送られてくる惑星の映像を見て心を奪われた。光の速さでも数分から数十分はかかる遠距離から映像が送られてくるとはとても思えないようなクリアな映像。映像の乱れは全く無く、はたして本物の映像なのかと疑ってしまうほどだった。
その疑問は間もなく解けた。学校の図書館で宇宙に関する本を読んでいたら、「探査機からの映像はデジタル信号で送られてくるためノイズが入らない」と書かれてあったのだ。
ボクはこの時初めて、デジタルというものを知ったのだ。
ボクは何でも自分で作ってみないと気が済まないタチで、「じゃあ自分でもデジタル画像を作ってみよう」と思い立った。
自分なりにデジタル画像の作り方を考えたのが次の方法。
まず、方眼紙を用意する。
そしてその方眼紙に、定規で線を引いて簡単な図形を描く。
そして図形の線が重なったマス目を、重なり具合を見ながら大体の感じで塗り潰す。
そして塗り潰されたマス目を「1」とし、空白を「0」として、左上から順に数字を書き写していく。
このようにして得られたものが次のようなデジタルデータとなる。
0000100000011000001001000010010001000100100000100111111000000010
これをモールス信号か何かで送れば、どんなに電波が乱れてもパルスが読み取れさえすれば元の絵がそのまま得られるというのだから、すごいことだ。
けれどもこれは宇宙探査で使われる技術であるから、まさか現在のようなデジタルカメラを使って気軽にデジタル画像を利用することになるとは夢にも思わなかった。しかもカラーで!
さて、冒頭のデジタルデータをエンコードして画像化してみたいと思う。
全部で247文字であるから、平面にするには因数分解する必要があるが、素数の組み合わせで考えると、19*13が該当する。縦横の違いを試すと、画像らしいものが現れるのは縦13*横19となる。
そこで1の部分を塗り潰すと次の絵が現れる。
ボクがデジタルデータ化したのは、スペースシャトルであった。
今から考えると、ボクにとっての最初のデジタルカメラは、自分自身だったのかもしれない。