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《写真の保存修復を考えてみた vol.16》~写真の保存修復~ by タケウチリョウコ

今日8月10日の誕生花は「ルコウソウ(縷紅草)」です。花言葉は「繊細な愛」「元気」だそうです。
ジメジメと暑い日が続きますが、熱中症に気をつけて元気に過ごしたいですね!
こんにちは。タケウチリョウコです。

さて本日は実際の写真資料を見ながら「写真の保存修復」について考えます。

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あなたの目の前に劣化の著しい写真資料があり、その資料に対して保存修復の必要がある場合、まず何を考え、どうしますか?
いざ修復が必要になったら、何から始めたら良いのでしょうか。

先ずはインターネットで検索をして、修復方法やその道の専門家を探すのではないでしょうか。
しかし、前回記事でもお話をしましたが、写真を専門とする修復家は日本では少なく、ヒットする研究報告書や文献は海外のものばかりです。

筆者も情報を集める段階で非常に苦労し、日本語での情報はもっぱら研究会や学会発表などの論文要旨などに頼っています。そんな訳で前回までの記事でも海外のサイトに頼りっぱなしです。
そして今でも一番の情報源は人脈です。
先ずは、保存と修復についてよく熟知している人に相談をすると良いです。
(だから、それは誰だよ!?っとツッコミたくなりますよね…。固有名詞や機関をこの場で名指しするのは躊躇いがあるので、どこに相談すれば良いの?っと言う方はメッセージください!)


それでは、私が所有する曽祖父のポストカードを例に、どのように保存修復を進めるべきか考えていきたいと思います。
この写真は前回記事にもありました曽祖父のブリュッセル万国博覧会のポストカードの中にあった1枚です。

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ここから曽祖父の写真を例に、保存修復の手順について筆者なりの考えをまとめてみます。

1. まず、保存修復の必要性を考える
2. 写真資料の技法を調べる
3. 写真資料の状態(劣化)を確認する
4. どのような処置をすべきか検討する


1. まず、保存修復の必要性を考える
この写真は劣化が進行し、画像の消失が考えられるため保存修復処置が必要と感じました。
そして写真裏の台紙にカビが確認され、匂いもあります。長期間の保管により人体にも悪影響を与える可能性もあるため、カビの除去も必要であると判断しました。

さて、適切な保存修復処置をするために、専門家に相談したのち(筆者の場合は自分で行います)そして、どのような方法があるのか検討したいと思います。
しかし劣化した写真であれば何でもかんでも修復すれば良いというものではありせん。
保存修復に携わる人(ここで言う相談をする人)は「これは取り扱いに危険が生じるので修復した方が良い」または「さらに悪化するケースがあるので修復をしない方が良い」などを明確に判断できる人にお願いした方が良いと思います。個人的には「なんでも修復できる!」っと言う人よりも、時には「出来ない」「分からない」と正直に言える人が修復に携わる人として大事なことであると私は思っています。

先ずは修復に携わる人の理念について紹介します!これは文化財保存の理念ですが、写真資料についても同じ考えが必要だと思います。

文化財の保存にたずさわる人のための行動規範

1.文化財への敬意
2.文化財の価値の尊重
3.安全性の確保
4.保存環境の重視
5.自己の研鑽
6.専門家との協力
7.他者との関係
8.記録の作成・保存・公表
9.法令の遵守
10.行動規範の遵守

引用:文化財保存修復学会 2008年7月8日制定 『文化財の保存にたずさわる人のための行動規範』
https://jsccp.or.jp/abstract/regulate_08.html

文化財とは?と言う方はこちらの記事も御一読されてみてください。
「最近見直しがされた関連記事文化財保護制度の見直しについて」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/pdf/r1414902_01.pdf

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次回は「写真資料の技法」そして「写真資料の状態」に注目をしていきたいと思います。
またnoteでお会いしましょう。

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