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《写真の保存修復を考えてみた vol.17》~写真の保存修復2~ by タケウチリョウコ

今日9月7日の誕生花は「みかん(オレンジ)」です。花言葉は「純粋」「愛らしさ」だそうです。
みかんは食べるばかりで、今まで花に注目してきませんでした。お恥ずかしい…。
白くて、力強く!素敵な花ですね。

こんにちは。タケウチリョウコです。
さて本日は前回記事の続き、実際の写真資料を見ながら「写真の保存修復」について考える第2弾です。
「写真資料の技法」に注目します。


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前回は「保存修復の必要性」について考えました。
写真を作り、鑑賞し、保管し、修復するのは人です。人によって、写真の価値も如何様にも変わってしまいます。
どの写真に、どんな人達が携わるのか…考えるだけで無限の可能性にロマンを感じる一方、実際に修復が必要となった時、携わる人達(特に修復家)はその責任の重さに死物狂いのはずです。
実際、私は修復のお仕事をさせて頂く時は、背中に羽が生えたような喜びとやる気に満ち溢れるのですが…。夜になると毎回、吐き気と頭痛に悩まされます。

さて、曽祖父のポストカードはどれも劣化が著しいですが、私にとっては先祖の足跡をたどる大切な写真たちです。どうにか次の世代にも見てもらえるようにしたいと考えています。

それでは早速、技法と状態を確認します。

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2. 写真資料の技法を調べる
技法はゼラチン・シルバー・プリントです。
(*技法の詳細については《写真の保存修復を考えてみた vol.6》~写真の種類と特徴5~ by タケウチリョウコ》をご参照ください。


なぜ、そう断言できるの?っと思いますよね。「経験と知識です!」っと言いたいところですが、ゆっくり丁寧に観察すると、その特徴が見えてきます。

写真画像は黄色味をおびており、コントラストも低下しています。一見すると鶏卵紙に思えます。
劣化が進行したゼラチン・シルバー・プリントと鶏卵紙は実に判別が難しいです。

しかし画像表面をよく見ると、ツルッとした光沢感があり、感触はスムーズです(Photo1. ゼラチン・シルバー・プリント/右側の光の当たった部分に注目)。
これは、写真画像を保持するバインダー層がゼラチンであることの特徴です。
鶏卵紙に使われる卵白はゼラチンよりも層が薄く、光沢感も少ないです(ミクロンの世界なので実際は電子顕微鏡で見ないと本当のバインダー層の厚みは測れませんが)。

画像2(Photo1. ゼラチン・シルバー・プリント)

さらに鶏卵紙の場合、特に劣化が進行しているものは画像表面に細かなクラッキングがあり、光を当てながら観察するとザラザラとした感じがします(Photo2. 鶏卵紙/右側の光の当たった部分に注目)。
ちりめん状と言ったら良いのでしょうか…。写真では少し分かりづらいですね。

画像3(Photo2. 鶏卵紙)。

そして劣化にも特徴が表れます。っと今回、「写真資料の状態」についても触れたかったのですが次回にさせてください!

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それでは、また次回もnoteでお会いしましょう。

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