交通事故に遭いました

2023年12月22日
この日から私の生活が一変した。

いつものように少し残業をして日勤終わりの帰宅中のことだった。
最寄駅から自宅まで自転車に乗って帰る、時刻は19時くらいだったかな。冬の19時はもう真っ暗で、自転車のライトをつけて漕いでいた。
自宅近くの信号のない十字路、左側から車が来ているのが見えたからスピードを緩めた。車は停止線と横断歩道前だったから少しスピードを緩めた。私が優先道路側だったから先に道路を渡ろうと思ってまた走り出した。道路を渡り終える頃、突然車のスピードが上がった。自転車をはね、私は吹っ飛んで地面に体を打ちつけ、そのまま地面を滑った。
一瞬なにが起きたか分からなかった、感じているのは体の痛みと初めてこんなに近くで見る地面だけ。
のそのそと車からおじさんが降りてくる。「大丈夫ですか?」と声をかけられる。頭は打っていないと思ったから「大丈夫です」と返す。でもその後に警察を呼ぶ様子はない。不審に思い、逃げられる前に私から警察へ連絡した。
警察が来るまでの間色んなことが頭を巡った。からだの痛みと気持ち悪さ、大事にしていた愛車が傷つきタイヤも歪み変わってしまった姿、もう少し先に控えていた試験のこと、明日の仕事のこと、色んなことが頭を巡ったけどどれもこれも痛みでちゃんと考えられなかった。

現場検証が終わり、具合が悪そうだからと先に私だけ帰された。


次の日から通院の日々が始まった。
事故から約1年、ついた診断名は腕神経叢損傷と頸椎捻挫と頸椎膨隆。私の右腕と右手に障害が残った。
利き手である右腕の自由はなくなり握力もほぼなく、手も開かなくなった。ずっと痺れているから感覚も鈍いし触れられると辛い。足が痺れている時に触られたら嫌でしょう、それが手に起きている感じ。神経性疼痛といって、腫れなどがなくても常に痛みがあるから何をするにも不便。料理も固いものは切れないし、顔を洗うために水を手で汲むのも難しい、頭や体を手で洗えないから色んな道具を買って駆使してる。ボタンの掛け外しも遅いし、小銭の扱いはたどたどしい。携帯は左手で操作するようになったし、電車やバスの吊り革は左手(元気な方)でしか持てないから時間を見たくて携帯を触りたくても触れない。字も汚くなった、タイピングはすごく遅くなった。マウスでクリックするだけで痛くて最初はドラッグができなかった。歯磨きも痛いから左手でやるようになった、箸を使えるようになったのは本当に最近のこと。重いもの、太いもの、大きいもの、紙みたいに薄いものは利き手で持てなくなった。暗い道を歩くことが怖くなった。迫ってきてどんどん大きく明るく照らされる車のライトが頭にこびりつくようになった。生活ができていないんだから仕事に支障ももちろんあって、4ヶ月休職して、復職してから4ヶ月間は月5〜8日だけ出勤した。今月やっと月13日くらい働いた。常に痛い状態が常に激痛の状態になった。痛くて眠れない日なんてザラにあった。やれる範囲が前よりずっとずっと狭くなった。信頼して任せてもらえることがなくなった。全部に"からだが不自由なひと"がついてまわった。

事故から約1年経って、
あの時残業せずに帰っていれば
あの時自転車じゃなくてバスを使っていれば
あの時もっと明るい色の服を着ていたら

あの時こうだったらって思うことがたくさんある。

まだ一度も直接謝ってもらえてないな
自転車が来ていたのが見えなかったって相手は言うけど事故現場の真上は街頭に照らされていたよな

相手に対して思うこともたくさんある。


でもやっぱり1番は、
元の健康なからだを返してよ
元の生活を返してよ
私のふつうを返してよ

普通に仕事して、普通に生活して、
普通に遊んで、普通に暮らしてたのに。

何をするにも苦痛が伴って、
周りの人と比べて落ち込んで、
見た目は普通だから理解されなくて、
気を遣われたり、憐れまれたり、同情されたり

前まで当たり前に出来ていたことが出来なくなるってどんな気持ちか分からないでしょう?

まだ20代なのにこれから先の長い人生を、ずっとこれで生きていかなきゃいけない気持ちなんてわからないでしょう?

結婚、出産、育児、これから経験する予定だったもの全部に大きい不安がつきまとう気持ちなんて分からないでしょう?

アメリカへ移住する予定だったけど障害がある移民をわざわざ採用する所なんてないから諦めざるを得なくなったんだよ、やりたい事もからだのせいで諦めないといけないことばかりで、こんな気持ちわからないでしょう?


いつまでも被害者面して生きていたって自分がしんどくなるだけだなんて知ってるし、落ち込んで過ごしてもいい事なんてないのも知ってる。

でもやっぱり心の底から思うんだよ、
やりたいこと全部挑戦したかったなあ。
負い目なく過ごしたいよ、私の健康なからだ返してよ。

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