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おしまいと、はじまり。

7時過ぎに起きてカーテンを開けて、リプトンの季節限定「さくらティー」を飲むためのお湯を沸かして、洗濯機を動かして、顔を洗って歯を磨いて、それから軽くお部屋のお掃除をします。

退職してから、10日が過ぎました。
早かったような気もするし、ゆっくりと過ぎていったような気もします。

朝、起き上がる時の「起きたくない、でも起きなきゃ、でも起きたくない、でも……」という、布団の中での葛藤がなくなりました。
小さなことかもしれないけれど、そのことだけでも、お仕事を辞めて良かったと思えます。
もちろんそれだけ、というわけではなくて、これも些細なことかもしれませんが、無理やり深呼吸をしないと肺に空気が入っていかないような感覚になることもありません。煩わしかった不整脈も耳鳴りも、ほとんど気にならなくなりました。
身内以外の誰かと会話をする必要がほとんどなくなったのも、今の自分にとってはありがたいことです。お仕事の最後のほうは、同僚と話をすることでさえも、苦痛で仕方がありませんでした。(職場で具体的に何か嫌なことや困ることがあって、というわけではなく、全く100%、自分の気持ちの問題です)

まさかこんなに体調が(主に精神的に)良くなるとは思っていなかったので、正直とても驚いています。体調面に関しては誰にも相談していなくて
、一見単なる衝動、思いつきのようにも見えたはずの決断を受け入れてくれた家族と、人数的に余裕がなく、お仕事も忙しい中で快く対応してくださった職場の皆さんには感謝の気持ちしかありません。

本当に、ありがとうございました。

退職の翌日からは、新学期を迎えた学生さんみたいにノートやシャープペンシル、消しゴムを買って、ラインマーカーや単語帳も用意して、早速勉強を始めました。
まずはITパスポート、それから基本情報技術者の資格取得を目指します。
数十年振りの試験勉強は、すんなり憶えられないことの方が多くて大変ですが、頭を柔らかくして、焦らず、心を折らずに頑張れたらいいなあと思っています。

お仕事を辞めたらあれをやりたいこれをやりたいと思ってはいましたが、とはいえ実際に辞めたら辞めたでだらだら過ごしてしまうんだろうな、なんて自虐的な予想をしていました。
案外そうでもなくて、これもちょっと嬉しい驚き、誤算です。ずっと底辺を舐め続けている自己評価を、ほんの少し上げてもいいかもしれません。

この10日間、ずっと楽しかったです。
まだまだ続く挑戦の一年間も、後になって振り返った時に「ずっと楽しかった」と言えるように過ごしていきたいと思っています。







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