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邦楽、洋楽問わず音楽が大好きです。 木製のCD/レコードインデックスプレートを販売して…

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邦楽、洋楽問わず音楽が大好きです。 木製のCD/レコードインデックスプレートを販売しています。 CD/レコードをオシャレに収納したい人や音楽好きの大切な人へのプレゼントに是非 活用して頂きたいです。 https://minne.com/items/40308260

最近の記事

I always wanna die (sometimes)

I always wanna die (sometimes)  棺の前で僕は立ち尽くしていた。参列者は皆泣き崩れている。神父が何やら話をしているが、降りしきる雨の無機質な音にかき消され、聞き取ることが出来ない。仮に晴天であっても頭の中には入ってこなかっただろう。  妹と最後に話をしたのはいつだっただろうか。泣き虫だけど、どこか負けず嫌いで頑固な部分があったな。僕がゲームで打ち負かしても、何度も挑戦してきたし、自転車の手放し運転は危ないからやめろと言っても全く聞く耳を持たず、

    • 彩雲

      「お兄ちゃん、少し太った?」 「ああ、最近忙しくて運動出来ていなかったからな」三月末に有給休暇を利用して、実家に帰省していた僕は妹の問いかけにため息をつきながら答え、冷蔵庫から牛乳を取り出した。 「そんなんじゃ、彼女できないよ」 「うるさいな。瘦せればいいんだろう。ちょうど暇だったし、公園走ってくるよ」 「お兄ちゃんが学生のころによく練習していた公園もうすぐなくなるよ」 「えっ!?」僕は驚いて、口に含んでいた牛乳を少し噴き出した。 「もう汚いなー。都市開発だったかな。たしか複

      • If I Lose Myself

        If I Lose Myself 「本当にこの道で大丈夫なのか? サウスコルの到着予定時刻を大幅に過ぎているが」エベレスト登頂を目指す同じグループで、ベースキャンプで訓練しているときに意気投合したジョナサンが息を弾ませながら尋ねてきた。 「ガイドを信じるしかないな。以前使っていたルートが雪崩で使えなくなったから、迂回している分時間がかかっているんだろう。とはいえ、もうすぐのはずだ」私は早口で言い、ジョナサンに急ぐよう促した。  前方を見上げると、真っ白な雪で覆われた広大な斜

        • ワタリドリ

          ワタリドリ  最後にご飯を食べて美味しいと感じたのはいつだっただろうか。今の僕は食事を楽しむことが出来ず、ただ空腹を感じないようにするために、必要最低限の分だけ何か手近なものを食べているような気がしている。  そんなことを考えているとあっという間に昼休憩の時間が終わってしまった。一日中鳴り止まない取引先からの電話、上司の罵声、同僚の愚痴、終わりが見えない業務、昼休憩が終わった後、息つく間もなく嫌なことばかりが繰り返し起きる。もう限界かもしれない。いっそのこと全てを投げ出して

        I always wanna die (sometimes)

          Whatever

          Whatever 何をやっても上手くいかない。「後悔しない人生を送るために直ぐ行動しろ」複数の自己啓発本に書いてあったその言葉を信じて、長年勤めていた会社を辞め、小説家を目指したのだが、現実は甘くなかった。そろそろ貯めていたお金も付きそうだ。もう終わりなのかもしれない。  僕は一向に売れる気配がない現状にため息をついた。やる気も、やりたいことも何もない。スマホを手に取り、SNSを眺めてはいるが、数秒後には内容を忘れてしまっている。窓の外から聞こえるうるさい蝉の鳴き声が耳にま

          アンテナラスト

          アンテナラスト  うだるような暑さの中、ラケット片手にベンチに腰をかけた。汗は止まることなく噴き出ていて、ラケットを握る右手の握力は失われかけていた。 「初戦敗退か。才能ないんじゃないか」クラスメイトでテニス部エースのヒロシが挑発するように言ってきた。俺は反論したかったが、何も言い返せなかった。手に力が全く入らないし、口を開くのもままならない。 「ふん」ヒロシは一言も発することが出来なかった俺を見限ったのか、それ以上何かを言うことなくその場を立ち去った。  ヒロシの後ろ姿を

          アンテナラスト

          Don’t look back in anger

          Don’t look back in anger 「ねぇ、アレックス。いつまでふてくされているの? 会社で起きたトラブルなんて、今家で文句を言っても何も解決しないじゃない」  仕事から帰ってすぐ、リビングのテーブルにバッグを放り投げた後、ソファで悪態をついた俺に対して、小言を言ってきたリズが、時間を置いてまた小言を言ってきた。 「別にふてくされてなんかいないよ。もうほっといてくれ」  俺はリズと同じ場所にいるのが嫌になり、タバコの箱とライターをポケットにいれ、現金を手で掴み

          Don’t look back in anger

          Mr. Brightside

          Mr. Brightside 「隣、空いてる?」  一仕事を終え、最近新しく出来たパブで一杯ひっかけていた私に幸運が訪れた。後ろを振り返るとそこには、今までの人生で一度も出会うことが叶わなかった好みの女性が笑顔を浮かべ、私を見ていた。 「ええ、空いてますよ。どうぞ」  私はすぐに席を立ち、平常心を保ちながら隣の椅子を手前に引き、女性へ座るようにエスコートした。 「ありがとう。話し相手が欲しかったの。私、エミリー。よろしくね」 「ああ、こちらこそよろしく。私はバーナードだ」

          Mr. Brightside

          Horse Riding

          Horse Riding  僕の手は今震えている。戦闘が始まったらこうなることはわかっていた。でも、受け入れることが出来ない。仲間がこんなに簡単に死ぬなんて。今朝村を出発するまではとりとめのない会話をして、笑っていたのに。  僕は仲間を、家族を守りたい。そう決心してこの戦地に赴いた。だが、目の前にいる仲間を助けることは出来なかった。呆然と敵の銃弾に倒れた仲間の姿を見つめる。息遣いが荒くなり、胸が苦しく張り裂けそうだ。 「おい、しっかりしろ」ダイチが僕の肩を掴んで激しく揺すり