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8/10「死について語るバー②」(夜の街とクンニ選手権編)

2024年8月10日「死について語るバー@エデン難波」が開催されました。


今回の「死について語るバー」では、
私は来てくれた5人のお客様と「死について語る」ことができました。

5人の紹介:

わかまつさん:本日最初のお客様。死バーならでは、のお話を聞かせてくれた方。興味深い視点をお持ちだった。

Mさん:元・夜の街の方。数多くの友人・知人の死にまつわるエピソードを披露してくださった。夜の街のひとにとって「死」は身近なの…?

スケさん:哲学専攻の方、キリスト教圏の国々への旅行経験あり。彼のおかげでより哲学系イベントっぽい会話が出来たと思います。

Jさん:死バー2回目の参加者、クリスチャンの方。今回は彼の死生観をより深く知ることができたと思います。

Rさん:名前出しOKと言ってくれたけど、一応イニシャルに。自分が本当に自分なのかわからない方。来てくれて本当によかった、ありがとうございます。

「死について語るバー」とは?

それは普段語られることのない「死」について、ひとと語り合うことで問いを深めていくバー…。
ひとまず、前回の様子はこちら。

今回の問い

今回の問いはこちら!

お盆が近いため、オリジナル問い
「お盆に会いたい相手はいますか?」を追加。

「亡くなったひとが帰ってくる」お盆に会いたい「故人・ペット等」はいますか?という問いのつもりだったのだけど、今回はこの問いが意外な方向に展開するキッカケになります。

じゃあ、問いを深めていこうか。

【わかまつさん】


まず最初に来てくださったわかまつさん。

どうして、今回のバーに来てくださったんですか?

「えー、それは私に希死念慮があって…」

なるほど、前回の死バーでは出なかった回答だ。

「仕事で疲れちゃうと、会社で使っているAIに「希死念慮、どうしたらいい?」とか訊ねちゃうw」

マジか、それ、なんて答えてくれるんですか?

「まず「いのちの電話」を勧められるんだけど、食い下がると、「それは貴女が成長するための試練です。私がついてますよ」とか答えてくれるんです」

あー、優等生的な回答だ!

「そうなんですよ、ちょっとね…人の心足りないですよね」

だよねぇ。

そんな、「人身事故のニュースを見るたびに保存して、ホームドアのない駅を調べてる」わかまつさん。

他にも色々と死について調べているらしく。

「自殺の完遂率は意外に低くて、例えば大阪府だと大体19〜20%くらいしか成功しなくて、ほとんどは未遂に終わるらしい…20%に入る自信がないよ〜」

そんな、学校の難しい試験みたいな反応w

他にも、学生時代にした「99歳まで苦しんで生きるよりかは、今ラクに死にたいわかまつさん」vs「どれだけ苦しんでも、誰よりも長く生きたい友人」の話を教えてくれたりしました。


そしたら、今回のバーテンしてくださったナンノ店長
「僕、一時期、「不老不死」について研究してましたよ」
とのこと。
大学でそういう学部に行ってたらしい。

「けど、今の技術じゃ「不老不死」無理だって分かったんで、今は「安楽死」に注目してますねー」

ナンノ店長曰く、
「今は「死ぬまで元気でいること」が推奨されているけど、人間は歳をとると、どうしても病気になって苦しんだり、他人に迷惑をかけたりしてしまう。それならいっそ「自分の好きなタイミングで死ぬ権利」があってもいいのではないか」とのこと。

安楽死について語るナンノ店長、
今回「死バー」に合わせて
エジプト神Tシャツ着てくれてた、さんきゅ。

にゃるほど、さすがYoutubeで
「老人から若者を守るチャンネル」をやってるだけあるにゃー。
ナンノ店長のYoutubeチャンネルはこちらからー


【元・夜の街のMさん】


彼女は元々このバー目的ではなく、友達との待ち合わせ目的でエデン難波に来てくれたひとでした。
「今日は何のバーやってるんですか?」と興味を持ってくれたのが来たキッカケ。

では、貴女にとって死とはなんですか?

「うーん…ワタシ、10代の頃に友人が自殺したんですよー」から始まる数々の死のエピソード。

元カレのお母さんが病気で亡くなった話、触った動物がすぐ死んじゃう友人の話…

うーん…「死について話せ」と言われて、咄嗟にこんなにたくさんエピソードが出るのは本当にすごい!けど割愛w

「あ、そういえば今日つけてきてるこのブレスレットも、本当は彼氏が元カノに送るはずのものだったんですケド、渡す前に元カノが亡くなってしまって、ずっと彼氏が保管してたものを受け取ったモノなんですー」

そうなんだー、でもちょっと重くないかな?

「そうなんです。ワタシ嫉妬深いから、普段はこういうの、絶対受け取らないんだけど、嫉妬する対象が亡くなってるし、それだけ大切に保管してたものを受け取れる関係になれるのが嬉しかった、ので受け取りましたー」

そうなんだね、それってイイかも。
彼氏さんと、お幸せにね。
なんだか、夜の街では「死」が結構近くにあるみたい。

そんな女性2人に質問!
「NO ◯◯、NO LIFE」に入る言葉!

Mさん「行動かなあ。興味が向いたら即行動!自分の意思で決めたい、支配やコントロールされるのはイヤ!」

彼女は昔はイエスマンだったけど、それで抑圧されることも多かったので、言いなりになることをやめたんだって。

わかまつさん「マネーかなぁ、お金大事だし。もしくは喫茶店かも。」

彼女は出社前に喫茶店を2軒ハシゴすることもあるくらい喫茶店好き、モーニングやコーヒーを頼んで、本を読みながら過ごすのが好きなんだって。

2人とも答えてくれてどうもありがとう。

【スケさん】


ドイツ哲学を専攻しているスケさんは、今回の死バーに哲学的な要素を求めて来てくれたみたい!
ドイツ哲学だけでなく、儒教にも詳しかったです、すごい!

貴方にとって死とはなんですか?

「死は怖いものですね。「死んだらどうなるか」ってちゃんと証明されたものは未だにないじゃないですか。分からないものは、怖い」

たしかに、分からない、は、怖い。

「でも、死んだらどうなるかって、実際に死んだら分かるので、生きてる間に、死について考えるのってコスパ悪いですよね」

たしかに!
でもあれ?それってこのバー全否定では?
ま、まあ、死を通じてどう生きるかを見つめ直すっていうのが、このバーの隠れたテーマになってるし?コスパは悪くないし?

「でも、わざわざ死ぬのはめんどうですよね」

それはそうねー。

【Jさん】


2回目の登場。クリスチャンの方。
来てくれてありがたかったけど、このバーって2回目来るのってあるんだなあ、と思った。
最初の方の問い、前回とかなり被ってるけどいいの?
(彼とは違うイベントでも何度かお会いしています)

どうしてまた来てくれたの?

「前回のバーが楽しくて。前回の人たちとも会いたかったしー」

そっか、来てくれてありがとうね。

「僕はクリスチャンだから、自殺は教義上禁じられている」
「けど、はやく死にたい」

そうだね。

「今この瞬間も、強盗が10人くらいこのバーに来たらどうしよう、って思ってる」

そういうことを考えるのは、教義的には大丈夫なの?

「妄想は、僕の中ではダメではないです」

そうなんだね。
Jさん、今回も来てくれて嬉しかったです。

男性2人に質問!
「NO ◯◯、NO LIFE」に入る言葉!

Jさんは確か「ブレス(呼吸)」だったよね、呼吸がなければ生きていけない。

スケさん「飲食かなあ、食べられなくなったら終わりかと」

そうかもねー

ここで質問!
人生に意味はある?ない?

スケさん「ない。ないから、意味付けしなきゃいけない、ないと生きがいが減っちゃう」

わかまつさん「ないです。死んでないから生きてる」

Jさん「ある。神の御心のままに生きる意味がある」

Mさん「あると思う、幸せになるために生きてる、自分でコントロール出来ないのは不幸」

そんなこんなで、ひと通り問いを出し終えて、みんな思い思いの会話を楽しんでいました。
クリスチャンのJさんと仏教やイスラム教、儒教の教義の違いを語り合ったり、カント哲学、アーユルヴェーダの話から神秘主義、果てはネットでは話せないディープな話まで、様々な話題で盛り上がりました。

ちなみに今日のエデン難波のBGMは藤井風さんでした。彼の楽曲はサイババの影響を受けていて、「私はあなたと同じ」という思想に裏打ちされているそうです。

ぴったりの選曲、ナンノ店長ありがとうございました。


さて、そんな閉店まであと30分のタイミングで…

「今からでもいけますか?」

新しく来てくれたお客様、Rさん。
Rさんは、どうして死バーに来てくれたの?

「死ぬことが頭をよぎるんです、というか、もう既に死んでる気がして。」

それは「死にたい」ってこと?

「死にたいわけではないんです、朝起きて散歩する時もあるし。でも、気づいたら舞台が切り替わるみたいに死んでる状態になるんです」

Mさん、スケさん
「それって、もしかして離人感があるってことじゃないかな?」

離人感?
離人症とは「自分の身体の外から自身を観察しているような感覚が持続する、または自分の周囲が現実ではないと感じること。」だそう。

「どれが現実か分からなくなるけど、今この時がイヤ。面白くない映画をずっと見ているみたいで、早く終わってほしいと思っている」

あんまり、健康的な生活を送っていないのかな…

「いや、筋トレはしてますし、亜鉛のサプリやバナナも朝に2本食べてますよ」

めっちゃ健康じゃん!!
私より健康的かも。

彼の経歴をきくと、
新卒で入った会社を30歳手前でうつで休職。
復職するも上手くいかなくて、家族に合わせる顔がないんだそう。

そっかあ、それは大変だね。

そうやって彼の話を聞いていると、
誰からともなく「障害者手帳」を取ればいいのでは、という意見が上がり、取得に際しての、かなり具体的なアドバイスがお客様からどんどん出てきました。こういうのって、初対面だからこそ出来るアドバイスって感じで、私はすごくよいなあと思いました。

ここでRさんに質問!
「NO ◯◯、NO LIFE」に入る言葉!

「息継ぎかな、この世界の息継ぎ。僕が死んでも新しい世界に行く、というよりかは、次の世界でも逃れられない」
「それくらい、今しんどい世界に生きてる」

うんうん、なるほどね、
って他のお客様たち、なんの話をしてるの?
え?クンニ選手権布教バー?

【クンニ選手権とは?】

エデン難波の常連のもなみさんという方が布教している大会。クンニの技術を競う競技らしく、2分間の中での起承転結、ファーストタッチの優しさなどが採点基準となる。

どうやら今月20日に行われる「クンニ選手権布教バー」の話題をしていたようで。

すかさず、クンニ選手権大会概要のパンフレットを出してくれるナンノ店長。
パンフレットを撮影する私w
パンフレット読んでめっちゃ笑ってるRさんwww

ちゃんと事前に性病検査もあるそうです。ちゃんとしてる。

ここでRさんに質問!
「NO ◯◯NO LIFE」に入る言葉!
(さっき訊いたのド忘れして2回目聞いちゃった恥)


「この流れはもうNO クンニ、NO LIFEしかないでしょう!?」

wwwwwwwww
だよねえwwwwwwww
じゃあ人生意味あるねwwwww
クンニしなきゃだしwwwwww

ねぇ、最後に訊いてもいいかな?
Rさん、お盆に会いたい相手はいますか?

「あぁ、それは子供たちですね」
「来週、会うんですよ。面会日なので」
「10歳と6歳の子ども、ふたりいてて」
「子供たちは僕に会いたいと言ってくれてる」
「でも、自分のことを捨てたひとの子供を、僕は自分の子供と思えない」
「一方で自分が父親じゃなかったら、子供たちに迷惑をかけることもなかったのに、という気持ちもある」
「だから、自分には子供に会う資格はないんじゃないかと思ったりする」
「結婚して子どもがいたことが全部自分の妄想だったら、と思うことがある」

ああ、そうなのか。
お盆は、来週だもんね。

Mさん「私もバツイチで子供いる!けど、私は子供には元旦那のこと、悪く言ったりしたことないし、Rさんのところも子供たちが「会いたい!」って言ってくれてるなら、お母さんがRさんのことを悪く言ったりしてないと思う。しかも、養育費払ってるんでしょ?じゃあ、会う資格めちゃくちゃあるよ!!」

私もそう思う。
正直、戸籍が一緒でもそうでなくても、血の繋がりがある事実は変わらないのだから、貴方の血を分けた子供たちが「会いたい」と言ってくれてる限りは、会ってあげるのが、父親の仕事だと思う。
それは離婚してからもそう、血の繋がりは変わらないから。

「どうして話しちゃったんだろう、
本当はこんな話するつもりじゃなかったのにな…」

まあ、これは私とMさん、外野の意見だから、
最終的にどうするかはRさんが決めることだと思う。
でも、会ってあげたら、お子さん達喜ぶと思うなあ。

「いや、会います。会おうと思います。」

ホント!?
嬉しいなあ、じゃあ今度の「クンニ選手権布教バー」でどうなったか、こっそり教えてよ。

「わかりました、また来ます」

そういって帰って行ったRさんは
来た時とは違う、爽やかな顔つきになってて。
ああ、そんなふうに笑う人だったんだね、
なんて思いました。

最後にナンノ店長が
「いやぁ、いいカウンセリングでしたね」
と言ってくれたが、私はカウンセラーではありません。
ただのパート主婦なので。
それにMさんの経験からくる説得力のおかげも大いにあると思いました。
でも、みんなと乾杯できて嬉しかったな・・・。
ナンノ店長、Rさん、Mさん、乾杯してくれてありがとうございました!
Rさん、ご馳走様です。

えーと、、
今回のMVPは「クンニ選手権布教バー」主催のもなみさん!
貴方は知らないところで、ひとを救った、のかもしれません。
本当にありがとう。存在してくれてありがとうございました。

さて、今回の「死について語るバー」はメモ書きに書いたこの言葉で締めたいと思います。

会話はセックス、クンニはあいさつ。

こんなに長い文章を読んでくれたみんなもありがとう。

また、どこかでお会いしましょう。
じゃあね。


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