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shinsukesugie
言葉にできなくても、大丈夫 〜ダ・ヴィンチに学ぶ“非言語”の才能
現代社会では、「思考を言語化する力」が自己表現やコミュニケーションにおいて重要視されています。この力が優れている人は、社会の中で有利に立ち回ることができるでしょう。多くの人が、このスキルを磨こうと努力しています。私自身、こうして文章を書いているのも、その一環です。正直なところ、面倒だなと思うこともありますが(笑)。
とはいえ、「言語」は自己表現の手段の一つに過ぎないのではないか——そんな疑問を持っていました。ある本を読んで、レオナルド・ダ・ヴィンチがまさにその体現者であることを知りました。
ダ・ヴィンチは、決して体系的な学問を修めていたわけではありません。それでも彼は、生涯にわたって絵を描き続けることで、科学や自然への理解を深めていきました。メモやスケッチは数多く残しましたが、それを論文のように整理することはしませんでした。しかし彼の作品は、物理現象や人体の構造を驚くほど正確に捉えています。
近年、大人も子どもも「言語化能力」を伸ばすことが求められます。本を読み、言葉で表現する力が重要な指標になっているのです。でも、ダ・ヴィンチのように言葉に頼らず、別の方法で自分を表現できる人がいるのも事実です。
言語化が得意でなくても、豊かな才能を持つ人は確かに存在します。そんな人々が正当に評価される物差しが、これからの時代には必要なのではないでしょうか。より多様性を認め合える社会のために——。