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ただ走るのもいいものです。

スーパーカブはビジネスバイク。紛れもない事実です。
では、スポーツ性がないかというと決してそんなことはないと思います。
浴衣に下駄履きの気楽さ、デニムにジャケットのカジュアルさ、作業服に安全靴の現場モード、スーツ上下に革靴のお仕事モード。
全部OKですよね。

だから仕事バイクでしょ、という方。

甘いです(笑)。

じゃ、カブのスポーツ性ってなにさ?


JA56横顔

非力な原一鉄カブAA01でも同じなのですが、スタート直後に90度左折のような、気を抜くとたちまちふらついたり加速不足に陥るようなシチュエーションで、後輪に掛かるトラクションが背骨に伝わってくる状態を常に作れるようにします。

すると、トトトっと後輪が車体を押し出していくトルク感と車体傾斜とハンドル舵角と自分の姿勢がぴったりシンクロして、ふらつくことなく車体が魚のように前へ泳ぎ出していく。

より排気量の大きいバイクならアクセル一捻りで誤魔化しの効くシチュですが、非力なカブは乗り手とバイクのシンクロ度合いが一目瞭然。

コンビニ駐車場。
シグナルスタート左折。
脇道から国道への左折進入。

実は頻繁にあるささやかな所での走り方に気持ちを注いでみると、カブとの一体感をダイレクトに感じられて、ただ走るだけでも楽しさが増していきます。

仕事帰りに秋の名残を観に

手に入れてから2ヶ月半経ったJA56ですが、やっと私に息を合わせてくれるように(違うw…私がやっと彼に追いついてきた)なった感じがします。

信号停止時の、地面に足を着けるタイミング。
路上でのハンドルロック小旋回(郵便屋さんターンね)。
渋滞路の外側線際2速一本橋。
交差点で思い通りのラインを描いた右折。
駐輪場へ極低速で進みながら、足着きなく停車位置へピシッと付けた時のドヤ感(笑)。
パン屋から道へ出る時の、穏やかな(でも回転やトルクに頼れずバランスが難しい)進出。

日常生活で走る低中速度域の楽しみが豊かで楽しい。

熊出そう

ダルに流すのも心地良いカブですが、タイカブはちょっと元気でよりキビキビとした走り方も心地良い。
割といっちょまえな排気音と共に、やればやっただけの応答があって、日常の隙間時間に目的なくただ走るだけでも楽しい時間を過ごせます。

仕事の時間、遊びの時間、家事の時間、怠惰な時間、休息の時間…本当はどっぷり長い時間で休みたいけれどそうはいかない日常生活。
少しの時間の密度を上げて、10分でも爽快に気持ちよくなれる機会や手段を持てば、あんなことこんなことへの耐性が上がる。

カブはそうした機会を、周囲から(カミさんやご近所や道を走る周囲からも)しかめっ面されることなく容易く得られるのがイイですね。

信州の紅葉は終わりです

10分でも操ることに集中出来る楽しみを、スポーツ性以外の何者と言いましょう。
ご近所走りとなるこれからの季節も、楽しみは尽きずです。

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