ジョン 9月マンスリー応募作 お題【名前】
ある家族が
新築の家を建てた
家族は喜んだ。
次女が「犬を飼いたい!」と
父親に懇願した
彼女にとっては
犬と一緒の生活は
長年の夢だった…
父親は
「散歩に必ず行って世話をする事」と
条件をつけた。
彼女は犬を「ジョン」と名付けた。
最初の頃は
本当にジョンをかわいがった。
何処に行くのも
ジョンは彼女と一緒だった。
だが…
彼女は飽きてしまった。
散歩も世話も母親の仕事となった。
そんな日が幾年も過ぎ
ジョンは病気を患ってしまい
毛は抜け落ち
身体はやせ細り
見るも無惨な状態を母親は嫌がった。
散歩にも恥ずかしくて行けないと
母親は父親にお願いして、処分場に引き取ってもらった。
ジョンは散歩に行くかの様に、車に乗せられて処分場に向かった。
数年後
次女は犬を飼うことにした。
今度はチワワ
そこまで手間はかからないと思ったのだろう…
名前は反省を含めて
「ジョン」にした。
彼女は今回はジョンを大切に世話をしていた。
数年後
ジョンは大病を患ってしまった。
毛は抜け落ち
身体はやせ細り
見るも無惨な状態になってしまった。
病院に通うが
どんな病院も最後はさじを投げた。
そんな彼女は
ジョンを大切に可愛がっている。
「最期まで看取るんだ!」
彼女はジョンを
愛おしく撫でながら僕に話した。