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誉め言葉の考察 2  ~必要最低限の言葉で、最大の効果を目指す。~

 褒め言葉に対する考察 2  

目次
1 効果的な誉め言葉への考察
 ① 褒めることの効果
 ② 褒めるべき行為
2 よいほめかたをするために
3 ダメな誉め言葉

1 効果的な褒め言葉について考察する。


①  褒めることの効果
 人は褒められると、嬉しい。承認欲求が誰にでも少なからずあるのではないだろうか。だから、人は褒められるような行動をとりやすい傾向があると思われる。褒める行為は、人を認める行為であるため、教師や親が何を褒めるかで生徒の思考の傾向が変わってくることが予想できる。褒めることは、対象の思考の傾向を決める可能性を含むため「何を」「どのように褒めるか」は、極めて注意が必要だと思う。
 褒めることは、毒に似ていて正しい使い方をすれば薬になるが、間違って使えば悪影響になりかねないと思っている。褒めることを絶対的に信頼しているとすれば、それについては個人的に危うさを感じる。褒めることの弊害について考えることで、生徒により良い言葉がけができると思っている。

② 褒めるべき行為と誉め言葉
ア 自分で考えて、行動したこと。・・・主体的な行動を認める。
  「自分で考えて動けたね。」
  「状況判断が良かった。一人でもやりきったね。」
イ 最後までやったこと。・・・・・・・達成感を共有する。
  「最後までやりきったね。」
  「全力を出し切ったね。」
ウ チャレンジしたこと。・・・・・・・行動力や意欲を認め、励ます。
  「勇気がすごいね。」
  「次に繋がるね。」

2 より良い褒め方をするための実践


ア 毎週の学級だよりを②の視点で書く。常に②の視点で生徒を観察するようになる。
イ 頑張った仲間の具体的な姿を②の「褒めるべき行為」に挙げた視点で書けるように振り返り用紙を作成する。
ウ 効果のあった褒め言葉、助言をノートに書き留める。
例:「今の良かったよ。」と言うなら、
    「もっと良くなりそうだね。」と言った方がいい。
「今」を褒めると「さっきの」を探そうとする。「もっと良くなりそうだね。」と褒めれば「もっと良くなる方法」を探すようになる。
  生徒が「見て。どうだった?」と聞いてきたら、以前は「上手だね。」等と言っていたが今は「最後まで丁寧にやったね。」「すごく楽しそうだったね。」と褒める。

絵を楽しそうに描いている子供に「上手だね。」という声かけは、悪手。好きで描いていたのが「上手に描こう」とするよになる。上手に描けないと、楽しくなくなる。大人の安易な誉め言葉で、子供の成長を阻害する。
※教師が高めて欲しい価値観を意図的、言葉を慎重に選んで褒める。


 

3 駄目な褒め言葉


① より良い褒め言葉になるように、改善したほうが良いと考える褒め方の具体例。
(個人的には、記述したような思考傾向になる恐れがあると思っている。)
ア (指示をよく聞く児童生徒に)「素直でいい子だね。」→従順な人を育て、人が何を考えているかばかりを察し、自分の意志がない人に育つ可能性がある。何をしたらよいかばかり聞くようになり、言われたことのみ実行するようになる。

イ よく手伝いをする生徒に「気が利くいい子だね。」 → 他人に好かれようとする人を育てる。無駄に世話焼きをする。「優しいね。」と声を掛けた方が良いと思う。

ウ (何かできるようになった時に)「できるね。」「上手だね。」→ できなかった、うまくできないときやらなくなる。「頑張ったね。」「最後まで粘り強くやり遂げたね。」と褒めた方がよい。

エ 見た目をほめる。「今日の服、似合っているね。」 → 見栄っ張りを育成する。
  教師が褒めるようなことではない。

オ 意図なしに褒める。「おだてる」と「褒める」の区別をしていない。

 みなさんの成功した褒め言葉、失敗した褒め言葉、教えてくれたら助かります。

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