安心できる場所で自分の意見が言える子どもたち
子ども劇場は、親子で劇を観たり音楽を聴いたりする会である。
私は子ども劇場に入会してからもう30年弱。劇や音楽に触れる以外にも、年間を通してキャンプやサークル会などがある。
最近、夏休みのキャンプについて聞いたこと。子どもたち中心のものは、実行委員会形式で事前準備をする。
今年キャンプ地に決まったところは、湖で舟に乗って行く場所。台風のせいでこのまま開催できるか不確定になり、実行委員会で話し合うことに。舟で渡ることはできても、帰りがいつになるか不明だとキャンプ地から伝えられたそうだ。日帰りでもいいからカヌーに乗るのを楽しみにしている子や、絶対にお泊まりしたい子や。
それぞれがどうしたいか希望を出し、いろいろなシミュレーションでアイデアを練ったそう。結局は、下の学年の希望が通り、キャンプ場所を変えてお泊まりキャンプに決定。
大人の判断で中止にするのは簡単だ。しかし、子ども一人ひとりのやりたいことに耳を傾けて、お互いにすり合わせていく。こんな時間はとても貴重なものとなったろう。
自分一人の意見を押し通すのではなく、他の人の意見も聞く。
天候が順調で、そのまま実行できたら手間もかからない。しかし、ピンチはチャンス。
自分の意見が尊重される話し合いの場。そんな機会の積み重ねで、人とのつながりを学んでいくのだろう。話し合いを経たせいか、子どもたちも仲よくキャンプに参加できたらしい。
話し合いで自分の意見が言えたのは、安心できる場所だったからではないか。日ごろから例会(劇や音楽を楽しむ日)やサークル会やイベントなどでお互いがゆるくつながっている。笑って劇を楽しんでいるあの子。あの子はバザーであんなに張り切っていたな。いろんな場面で見せる子どもたちの表情や行動、考え。お互いにちょっとずつ知り合える仲間たち。
私の子どもは、もう成人だが、今でも会の会員である。社会人になった娘が言っていた「みんなと会うとなんだかホッとするんだよね」。
きっと子どものころから知っている仲間たちに会うと、自分が飾らなくてもいいからじゃないかな。そして今の仕事や自分の状況などを伝え合う。
そんな仲間たちに出会えたのは、親の私にとってもうれしいことだ。大人たちも温かい目で子どもたちの成長を見守っている。
家と学校以外での子どもの居場所。評価する、されるのではなく、自分がありのままで居られる場所。そんな居場所づくりに関わっていきたい。
子ども劇場の詳しい説明はこちら。
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