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嫌われる権利

予備校講師たるもの、どうしても付きまとうのが学生からのアンケート結果。

今では専門学校や大学でも、授業後のアンケートを取ることが当たり前になったような気がします。

実は、私の後輩にアンケートをすこぶる嫌がる子がいます。

(アンケートについては以前の記事にも載せてます。よしなに。)


嫌われる権利


後輩「アンケートで不満書かれると、嫌われたと思って辛いです。」

私「なんで嫌われたくないの?」

後輩「だって悲しいじゃないですか。」

私「あんたは苦手だなって感じる人いないの?」

後輩「そりゃいますけど。」

私「例えばだけど、いじめっこやストーカーにも好かれたいの?」

後輩「それは絶対嫌です!」

私「そうだよね。でも私にはそれが都合のいい話に聞こえるのよ。」

実をいうと、私も後輩と同じことを考えたことがあります。
私にもちょっと苦手な学生さんがいたのです。

でも仲良くなれるのに越したことはないですから、少しでもアンケートでいい結果がもらえるよう努力することにしたのです。

しかし、

「私はその学生のこと嫌いだと思ってるのに、なんでその子に好かれようとする行動してんだろう。都合よすぎるし、私って最低だな。」

と突然思ってしまったんです。

「そうか、嫌われる権利って思っとけば、気が楽だな。」

全員に好かれなくていいんだ。

気に入ってもらえなかったとしても、
私には好きになる権利、嫌いになる権利があるんだから、
相手だって同じ。

好き嫌いは自分の心の中に持っておけばいいもので、
相手に押し付けるものではない。
相手にどう思われてもそれは自由だ。

以後、私はこれを「嫌われる権利」と呼んでおり、
アンケート嫌いな後輩にもよく話す言葉になりました。

志らく師匠の炎上解決論

以前、あるテレビ番組で、噺家の立川志らく師匠が『炎上解決論』なるものを話しており、それが今も私の軸になっています。

10人の人がいて、10人全員に好かれるのは偽善者。
10人に嫌われるのは、嫌われ者。
5人に好かれ、5人に嫌われるのが本物。

自分を愛してくれる人の言葉が本当の言葉であり、
その言葉を信じていれば、
どんなに世間から叩かれてもまっすぐ歩くことができる。

全員に好かれる必要はない。
大事なのは敬愛するたった一人の言葉。

これを聞いたときに、心底ほっとしたことを覚えてます。
こんな有名な噺家さんだって、全員に好かれるわけじゃないんだと。

私にくっついていた『好かれなければならない呪縛』が、ようやく離れた気がしました。

きっとこの地球上のどこかにいる、
周りの目が気になってるひとに、
今も呪縛に悩んでいるひとに、
すこしでも届きますように。


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