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【LIVE名盤】”Yes / Yessongs”

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。UKプログレッシブ・ロック・バンドのイエスが1973年発表した初の公式ライブ・アルバムです。

1970年リリースの『サード』でイエスはロック色を強めて人気が出始めました。テクニカルな演奏を強めたいとキーボードをチェンジして71年に『こわれもの』、続いて72年には『危機』をリリースします。そして新作を引っ提げてさぁツアーだという直前に、ドラムのビルがバンド脱退して同じくプログレ・バンドとして人気のキング・クリムゾンに移籍してしまいます。

急遽ドラマーを探して、元プラステイック・オノ・バンドのアラン・ホワイトに白羽の矢が立ちます。新メンバーとして迎えられたアランは数日間のリハーサルだけで三度目のUSツアーに臨みます。

クリス・スクワイア(Bs)、ジョン・アンダーソン(Vo)、スティーヴ・ハウ(G)、リック・ウェイクマン(Key)、アラン・ホワイト(Drs)の編成です。

そのUSツアーの模様を中心に、超絶テクが如何なく発揮されたライブ・アルバムがLP3枚組のボリュームでリリースされます。

アートワークは前作に続いてロジャー・ディーン。大作だけあって凝ったデザインに驚嘆の声が上がります。ホントに美しいです。

収録曲
LP-1
A1 Opening (Excerpt From "Firebird Suite")
A2 Siberian Khatru
A3 Heart Of The Sunrise
B1 Perpetual Change
B2 And You And I
LP-2
C1 Mood For A Day
C2 Excerpts From "The Six Wives Of Henry VIII"
C3 Roundabout
D1 Your Move / All Good People
D2 Long Distance Runaround / The Fish (Schindleria Praimaturus)
LP-3
E1 Close To The Edge
F1 Yours Is No Disgrace
F2 Starship Trooper

オープニングの序曲は小澤征爾指揮によるボストン交響楽団が演奏するストラヴィンスキー作「火の鳥」。荘厳なクラシックからスタートするあたり、プログレバンドの真骨頂といえます。

B1とD2は『こわれもの』『危機』ツアーからの収録で、メンバー・チェンジ前のビルが叩いています。C2はリックのソロ『ヘンリー8世の6人の妻』からの抜粋。まさに当時のオールタイム・ベストといった選曲です。

クラシック序曲からの実質的なオープニング曲A2。名盤『危機』収録。僅か数回のリハーサルで本番に臨んだアランの小気味のよいタイトなリズムが素晴らしいです。終盤の細かなキメもばっちり。戸惑うこともなく叩きまくる様は、さすがプロですね。


人気曲C3。ライブならではの迫力の出来。ジョン・アンダーソンのボーカルもちゃんとロックしています。


ライブであの大作(18:14)をフルサイズで再現したE1。その演奏テクニックは絶賛の嵐でした。特にエンディングの盛り上がりは、スタジオ盤では味わえないダイナミックでグルーヴ感に溢れた仕上がりになっています。


コンサートの感動のエンディング?。こちらも10分超えの組曲F2。コーラス・ワークもばっちり!大作の組曲をスタジオ編集で作るだけではなく、ライブでもほほ完璧に再現できる・・・脱帽ですね。


3LP仕様で高額にもかかわらずUKアルバム・チャートで7位を記録。イエスの人気を不動のものとしたアルバムだと言えるでしょう。

ちなみにプログレ界だけでなくロック全般の超名盤として最高評価を得ているピンク・フロイドの『狂気』のリリースは73年3月。そしてこの『イエスソングス』は同年4月ということで、そんな世界最強のアルバムにも互して余りある評価を得ているというは特筆すべきことだと思います。

UKツアー中の72年12月のロンドン公演の様子は、映像収録が行われビデオ「イエスソングス」として発売されました。アレンジはほぼ同じですが、ま、時代とはいえ妙なエフェクトだらけで、今観ると・・・って感じです。とはいえ当時の貴重な映像ということで、ファンの方はおさえておきましょう。

イエス・・・個人的にはこの時代の3作+ライブ盤で大満足です。


1970年代の洋楽ロックの記事をこちらでまとめています。プログレ関係の他のバンドの記事も紹介していますので、どうぞお立ち寄りください。



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