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【名盤伝説】”Deep Purple / Machine Head” ハード・ロックの歴史的名盤。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。言わずと知れたUKのキング・オブ・ハード・ロック (ヘヴィ・メタルではありません^^;)のディープ・パープル1972年リリースの『マシン・ヘッド』です。

バンドは1968年に結成し、当初はサウンドはヘビーだったもののクラシックの影響を強く感じさせる抒情詩的なテイストでした。69年にメンバーチェンジをして、ジョン・ロード(Key)、リッチー・ブラックモア(G)、イアン・ペイス(Drs)、ロジャー・グローヴァー(Bs)、イアン・ギラン(Vo)という編成になります(第2期)。

この時期のブリティッシュ・ロック・シーンではレッド・ツェッペリンが台頭し、ハードなサウンドが人気を集めます。クラシック路線に抵抗のあったリッチーが一度だけハード・ロック路線のアルバムを作ってみないかとということで、70年にアルバム『イン・ロック』をリリース。これがスマッシュ・ヒットとなり、アルバム未収録の「ブラック・ナイト」もUKチャートの上位を獲得。ここからリッチー主導のハード・ロックなパープルが始動します。

『イン・ロック』収録の「スビード・キング」。ハードな路線とは言いながらも中間部のオルガンとギターの掛け合いは、それまでの路線を醸し出すような展開。ただこれがある意味でパープルの特徴となっていきます。


そして71年にはアルバム『ファイアー・ボール』をリリース。UKチャートで1位を獲得してバンドの方向性はリッチー主導のハード・ロック路線という方向性が確定しました。とはいえアルバムの内容は正直に言えば中途半端で、ハード・ロックというかハードなアレンジが施されたポップスのような(個人的な)印象です。

『ファイアー・ボール』収録の「ストレンジ・ウーマン(邦題)」。シングル曲だけあって、ライヴでも人気のナンバーとなりました。ここでも中間部のオルガンとの絡みには、クラシカルなコード進行が聞けます。元リーダー??のロードの存在感というか意地というか・・・。

この時期のバンドはツアーとレコーディングの過密スケジュールで疲労困憊、とうとうメンバーの体調不良でツアーはキャンセル。バンドは暫しの休養期間を取ることになります。


そして迎えた71年末に、満を持して新作のレコーディングが始まります。スイスのモントルー近郊の湖の辺りで、ローリング・ストーンズのモービル・ユニットを借用して録音しようとしていたところで、予定していた施設が火災に見舞われて移動することに・・・これがあの名曲のモチーフになったとか。
そして72年3月、歴史的名盤の『マシン・ヘッド』が遂にリリースされます。

徹底したハードなサウンドに、リッチーとロードの掛け合いの妙・・・パープルのサウンドが一つの完成系となったアルバムだと思います。ギランのハイトーン・ボーカルも特徴的ではありますが、実はボトムののベースとドラムも、ハードロックの元祖ツェッペリンを彷彿とするプレイは要チェックです。唯一絶対のボンゾのプレイには敵いませんが、かなり頑張っています。ミュージシャンの間ではペイスのファンって案外多いです(完璧な私見です^^;)。

収録曲
M1 Highway Star
M2 Maybe I'm A Leo
M3 Pictures Of Home
M4 Never Before
M5 Smoke On The Water
M6 Lazy
M7 Space Truckin'

アルバムトップのM1。パープルだけではないハード・ロックの代表曲と言えるでしょう。中間部のソロ・パートはライブではほぼ即興だと言われていますが、このアルバムのソロ・フレーズは熟年ロッカーなら全員クチで歌えますw。


そしてこちらもハード・ロック・クラシカルの代表曲M5。先に紹介した火災体験から生まれたと言います。当時中学生だった私でもイントロのフレーズはコピーできました。後にリリースされるライブ盤でのフレーズも含めて、あまりに有名すぎて、ロック系ミュージシャンのDNAに擦り込まれたような気がします。


アルバムのラストを飾るM7。この四つ打ちのドラムは案外難しいようです。中間部のパーカッションとの掛け合いは、今聞くとかなり新鮮です。


ハード・ロックの元祖はツェッペリンだと思います。しかし当時耳慣れなかった中学生の私には、ロバート・プラントのボーカルは強烈すぎて辛かったです。その点パープルは、まだ聞きやすくメロディーもキャッチーだったことから、リアルタイムではバーブルの方が聞くことの方が多かったです。俗に言う「あなたはパープル派??、ツェッペリン派??」的な問いかけには迷うことなく「僕はパープル」なんて言ってました。
正直にいえば、両方聞くだけの環境に無かったと言うのが事実。未だビートルズの残像が色濃く残る時代で、そんなにたくさんアルバム買えませんでしたし・・・

社会人になって可処分所得も増える中で、未消化のままやり過ごしていたアルバムを購入し始めると、ツェッペリンの魅力にハマっていきました。


時代は進んでサウンドが過激になり、べヴィー・メタルとかデス・メタルとか…。とはいえ、ここが全ての原点だと思います。まさにロックを代表する歴史的な名盤です。


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