“Without You / Nilsson”
[RADIO DAYZ] 1972 あの頃ラジオから流れていた懐かしい名曲を紹介します。
USのシンガーソングライターがニルソンの1971年にリリースしたアルバム『Nilsson Schmilsson 』に収録されている「Without You (当時の邦題: ウィザウト・ユー)」です。
この曲のオリジナルはUKロック・バンドのバッド・フィンガーが1970年に発表したアルバム『ノー・ダイス』に収録されています。シンプルなアレンジで野太く歌う男のバラードといった雰囲気です。
一方のニルソンのバージョンは、悲しい思いを胸に、別れた恋人への想いを切なく歌い上げています。同じ曲なのに、ここまで印象が違うのも中々面白いです。
この曲はUS・UKともにチャート1位を獲得する大ヒットとなりました。日本でもヒットして様々な歌手によりカバーされています。
シンプルなビアノのみで始まり、終盤はオーケストラによる壮大なアレンジで、これでもかと盛り上げてくれます。本人はコーラスが単調だと不満があるようでしたが、最高のボーカル・パフォーマンスだと周囲のミュージシャンからは高い評価を得ていました。
この曲には様々なカバーがありますが、最も有名なのは5オクターヴ(半)のR&Bの歌姫マライア・キャリーのバージョンです。彼女がカバーしたの1993年リリースのベスト盤『MUSIC BOX』。1994年にニルソンが亡くなった直後にシングル・カットされました。彼女らしくゴスペルっぽいアレンジも、ニルソン追悼しているようで良い感じです。。UK・USの他、各国で大ヒットを記録しています。
オリジナルのバッド・フィンガーのバージョンも音源を紹介しておきます。バッドフィンガーはビートルズに認められたバンドとして1970年前後にとても注目されたバンドですが、実に不幸な経歴を持ちます。この「ウィズアウト・ユー」を作った2人のメンバーはともに仲違いの末に自殺してしまいます。そんな未来が待っていたことを踏まえて聞くと胸が詰まります。
バッド・フィンガーについてはこちらの記事を公開しています。よろしければご覧ください。
ニルソンの曲が日本でもヒットしていた頃は音楽情報は本当に乏しくて、ラジオDJが紹介する一言情報と流れてくる音源だけが頼りでした。ベタ甘のバラードですが、メロディの良さに惹かれた記憶があります。仮に当時が、今のように情報が飽和状態だったら、どんな印象を受けたでしょうか。逆に情報があまり無いために、聞こえてくる音楽を全身の感性で受け止めて選別する・・・そんな聞き方しかできないため、私達世代のファンは鍛えられたのかもしれませんね。
そんなラジオに夢中になっていた頃の思い出をこちらで語っています。
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