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【名盤伝説】“Michael Jackson / Off The Wall”

MASTER PIECE 世界的なポップ・スターのマイケル・ジャクソンがレーベル移籍後初のソロ・アルバムとしてリリースしたのが『オフ・ザ・ウォール』です。

マイケルは兄達と共にボーカル・グループジャクソン5のメンバーとして1969年にモータウンから僅か10歳でレコード・デビューします。グループは人気を集めモータウンの看板ミュージシャンとして活躍しますが、アイドル路線に固執したモータウンから1975年にレーベルをCBSに移籍します。移籍に伴いジャクソンズに改称して、メンバーは自身の音楽性を高めていきます。

グループのフロントでリードシンガーだったマイケルは、映画「ウィズ」のサウンド・トラックでダイアナ・ロスと共演し、その作品で音楽担当だったクィンシー・ジョーンズと出会い、1979年に制作したのがこのアルバムになります。ソロ・アルバムの制作には家族やレーベルから反対されたとのことですが、これはグループあるあるの騒動で、フロントの独立にバックアップに徹していたメンバーにすれば良い思いはしないものです。とはいえより大きな成功を目指す流れからすれば、ある意味では必然なのかなと。


さすが大物プロデューサーのクインシーだけあり、参加ミュージシャンは実力派揃いです。ルイス・ジョンソン(Bs)、ジョン・ロビンソン(Drs)、グレッグ・フィリンゲインズ(Key)、スティーヴ・ポーカロ(Key)、ジョージ・デューク(Key)など。ホーンはジェリー・ヘイ率いるシーウィンド・ホーンズが担います。

楽曲はポール・マッカトニーステイーヴィー・ワンダーキャロル・ベイヤー・セイガーなどの豪華布陣ですが、それよりも多くの曲をマイケル自身が手掛けていてのコンポーザーとしての才能もクィンシーはしっかりと引き出しています。

収録曲
M1 Don't Stop 'Til You Get Enough
M2 Rock With You
M3 Working Day And Night
M4 Get On The Floor
M5 Off The Wall
M6 Girlfriend
M7 She's Out Of My Life
M8 I Can't Help It
M9 It's The Falling In Love
M10 Burn This Disco Out

アルバムトップのM1。曲はマイケル自身のオリジナルです。シングル・カットされてUSチャートで1位、UKでも3位と大ヒットします。この曲は彼が自宅で過ごしている時にふっと浮かんできたのだそうです。「君が満足するまで止めないよ。何時間も愛し合おうよ。愛する力を信じよう、理由なんかいらないさ」ベタベタのラヴソングでした。


M2も愛の歌。この曲もUSチャート1位、UKチャートでも7位と大ヒットします。RIAAでは5プラチナ認定のメガヒットです。このYouTube音源はリミックス版。国内盤CDをお持ちの方は聴き比べてください。動画ではサピの部分で大きくハンド・クラッピングがフューチャされています。こうした細かなテイク違いには反応してしまう私ですw。


印象的なリフのタイトル曲M5。次作『スリラー』に繋がるような曲調。いかにもクインシーらしいコーラス・アレンジです。「やりたいようにしようよ、今夜も一晩中パーティさ」と自由に生きる若者気質に例えていますが、壁を突き破りたかったのはマイケル自身でしたし、自身のソロ活動に抵抗していた仲間達へのアンチテーゼということでしょうか。


ステイーヴィー・ワンダーが提供したM8は独特な雰囲気のバラード。ソウル界の大物リオン・ウェアの元奥様で、デニス・ウィリアムスの歌でも有名な名曲「Free」の作者のSusaya Greeneとの共作です。グレッグ・フィリンゲインズのシンセアレンジが素敵です。


キャロル・ベイヤー・セイガーの名曲のカバーM9。共作のデヴィッド・フォスターもアレンジャーとして参加しています。どちらのテイクが好きかはお好みで。


本格的なソロデビューでその才能を大きく伸ばしたマイケル。スーパースターMJ伝説はこのアルバムから始まりました。まだ若々しさを残すものの、伸び伸びと歌い上げるこのアルバムが私は大好きです。



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