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【名盤伝説】 "Cory Wells / Touch Me" ブルー・アイド・ソウルな熱盤をAORファンは見逃さない。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。元スリー・ドッグ・ナイトのスリー・トップの一人、コリー・ウェルズのソロアルバム『タッチ・ミー』(1978)です。

スリー・ドッグナイト(3DN)は1968年にデビューしたバンドで、3人のリードボーカルがいるのが特徴。力強いボーカルとキャッチーなメロディで多くのヒットがあります。代表曲には「Joy to the World (邦題: 喜びの世界)」「One」「Mama Told Me (Not to Come)」などなど・・・。

そんなバンドが解散した翌年にリリースされたのがこのアルバムです。

キャッチーでポップな曲調が特徴的な作品です。ウェルズの熱く魅力的なボーカルと共に、聴く人の心に響くようなメロディが展開されています。またダンスミュージックやR&Bの要素も取り入れられており、聴く人を楽しませる要素がたくさん詰め込まれています。コリー・ウェルズの才能を存分に発揮した素晴らしい作品と言えるでしょう。

参加ミュージシャン
Backing Vocals – Bill Champlin, Carmen Twillie, Venette Gloud, Jim Gilstrap,
 Luther Waters, Oren Waters, Kathryn Collier, Venette Gloud
Guitar – Jay Graydon, Dean Parks, Steve Lukather
Bass – Dennis Belfield
Horns – Chuck Findley, Dean Parks
Piano – David Foster, Mike Utley, Jay Gruska
Percussion – Jack Ashford, Steve Forman
Drums [Syndrums] – Mike Baird

収録曲
M1 Waiting For You
M2 When You Touch Me This Way
M3 You're My Day
M4 Everything's Right For Love
M5 Midnight Lady (Hiding In The Shadows)
M6 Starlight 
M7 Throw A Little Bit Of Love My Way
M8 I Know You're Willin' Darlin'
M9 Change Of Heart
M10 Lady Put The Light Out
M11 Starlight (Disco Version)*
M12 Let Tomorrow Be*

*2012年リリースCD Bonus Track

アルバム全体に仄かに漂うJ.グレイドン&D.フォスター色が、翌年リリースの名盤ビル・チャンプリンシングル (邦題: 独身貴族)』や同じくブルー・アイド・ソウル系の歌い上げが特徴の、レイ・ケネディの『ロンリー・ガイ(邦題)』(1980)などのアルバム比べたくなります。3DNの作風と同じで、有名無名を問わず気に入った作品を集めているのが、良い意味でバラエティ豊かな仕上がりになっていると個人的には思います。

M1は名コンボーザーのトム・スノウ作。いきなりコリーの特徴全開です。フォスターの特徴的なピアノ・リフとキレの良いホーン・アレンジ、さらに元同僚のベーシスト、デニスのノリノリのスラップが格好良いです。アルバムの聞きどころの一つですね。

M3ではテンポの良いAORナンバー。ファンキーな女性コーラスに絡むジェイのギターに乗せたコリーの熱唱が光ります。

M4はフォスターの美しいローズ・ピアノの響きに思わずうっとり。この曲はデニスの作品。良い曲書きますね。

M6はこのアルバムのハイライト。ジェイとルークのダブル・ノートのイントロが印象的なディスコ・ナンバー。当時流行のシンセ・ドラムは今聴くとご愛嬌です。
どこでリリースされたのかは不明ですが、この曲にはロング・バージョンがあり、このジェイのソロはかなりの長尺で実にアグレッシヴ。隠れたグレイト・ソロ・ワークといった感じです。ジェイファンの方はぜひ押さえておいてください。2012年リリースのCD盤にはボーナス・トラックとして収められています。

M7はフォスター作のバラード。しっとりと歌い上げるコリーのボーカル・センスは絶品です。

硬軟取り混ぜたダンサブルなAORの名盤だと思います。

彼はその後もコンスタントに音楽活動を続け、ファンからは高い評価を受けていましたが、残念ながら2015年に亡くなります。3DN時代の活躍とともに、ソロアルバムもちゃんと聴き続けたいです。R.I.P.


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