【名盤伝説】“Earth, Wind & Fire / I Am” アルバム通して聴きたい代表的作品。
お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ご存知、20世紀を代表するアメリカのファンク・バンドアース・ウィンド & ファイアーの1979年リリース『I Am (黙示録)』です。
EWFは1970年にシカゴで結成され、その後LAに拠点を移して翌1971年にアルバムデビューを果たすもののパッとせず、一度バンドは解散して72年に再デビューしています。人気のきっかけになったのは75年の『That's the Way of the World(暗黒への挑戦)』で同名映画のサウンド・トラックとして全米1位を獲得しています。
メンバーはアフリカ系アメリカ人中心に構成され、ホーンセクションをフューチャーしたド派手なステージ演出とメンバーによるエンタテイメント性豊なパフォーマンスで大人気でした。日本でも70年代のディスコ・ダンス・ブームに乗ってダンサブルな曲からムーディなものまで、どこのホールでもEWFの曲は定番として、当時の人達の記憶に残っているはずです。
メンバーにはボーカルのモーリス・ホワイト、ポピュラー系では異色のファルセット・ボイスが特徴のフィリップ・ペイリー、ベースのヴァーダイン・ホワイト、ギターのアル・マッケイなどなど。
そんな時代に高校生だった私は、音楽の趣味以外は根っからの体育会系男子だったことから、ディスコなどのナンパな文化wには縁がありませんでした。ただラジオから流れてくる彼らの曲はよく聴いていましたね。
ということでアルバムにはあまり執着がなく、とりあえずはベスト盤『The Best of Earth, Wind & Fire Vol.1』で満足していました。
その後は時代のAORブームの中で聞いたアルバム80年の『FACES』で改めて曲の良さを堪能し、81年の『Raise! (天空の女神)』(超絶人気曲「Let’s Groove」収録)を聞くと、遅咲きでファンク・バンドとしての魅力に取り憑かれていきます。
しかし83年リリースの『Electric Universe』で、バンドの特徴だったホーン・セクションからエレクトリックな方向性に大胆な転換して興味喪失(泣)、「アースも終わったかな」なんて感想でした。これはあくまで当時の感想で、実は味わい深い良い作品でした。このことについては別の記事で紹介したいと思っています。
そして、そんなEWFへの興味が再燃する出来事がありました。1988年の第17回東京音楽祭にゲスト出演するという情報が入ります。彼らのライブは見たことが無かったし、エンタテイメントが売りだったので、一度は観てみようということで。
そしてその時の彼らのステージがこちら・・・
音楽祭のゲストということでやや短めのステージでしたが、何と何とその素晴らしかったこと。特にオープニングの「In The Stone」に衝撃を受けました。ステージ全般の感想は、確かに大仕掛けの演出には驚きましたが、おっさん達のぎこちないダンスパフォーマンスには正直苦笑するしかありませんでした。とはいえそのサービス精神旺盛な様は、淡々と演奏を聴かせるだけのステージとは一線を画す、彼らの思いは十分に伝わり「アースは楽しいよ」と実に好印象でした。
ベスト盤前後のアルバムはちゃんと聞いていなかったので、改めてこのアルバムを購入。・・・ようやく、このアルバムの紹介に辿り着きました^^;;。
当時はまだ無名に近かったデヴィッド・フォスターがプロデュースを担当。ジェイ・グレイドンやビル・チャンプリンなどLAの人気ミュージシャンがゾロゾロ参加。アルバムジャケットは日本人の長岡秀星。ビルボードのポップチャートで3位、R&Bチャートでは1位を記録するなど大ヒットとなりました。
何と言っても必聴はM1。イントロの高らかに鳴り響くファンファーレがめちゃ感動的。ファンク系のコンサートでこの曲に勝るオープニング曲はありませんね。
そしてM3は、作者のビルが自身のソロアルバム用に準備していたものを、モーリスが懇願して収録したという逸話が残る名バラードです。
ある意味究極のダンスナンバーM5。人気の女性ソウル・グループエモーションズとのコラボはナイスなキャステイングで最高に盛り上げてくれます。
ミドルテンポでありながらダンサブルなナンバーM6。個人的にこの曲大好きなんです。
アルバム・オリエンテッドで実に聞きどころ満載のアルバムでした。このアルバムは、今では大プロデューサーのフォスターの出世作になりました。
途中飛ばしてしまいましたが、EWFの他のアルバムについてもいずれ紹介していきたいと思っています。