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【名盤伝説】”Planet 3 / A Heart From The Big Machine”

MASTER PIECE スーパー・ブロデューサー&ギタリストのジェイ・グレイドンが1991年に組んだユニットプラネット3 名義での唯一のアルバムです。


チャートにはほとんど上がりませんが、このアルバムのリリースはマニアにとっては重要な作品です。

AOR界の金字塔、デヴィッド・フォスターと組んだエアプレイのアルバム・リリースから10年余、様々なアーティストのアルバムをプロデュースして名盤を次々と制作し続けていたジェイが、自身名義(ユニットですが)での待望のアルバムをリリースして歓喜したファンも多かったと思います。

このアルバムでのパートナーはクリフ・マグネス(Vo.,G)、グレン・パラード(Key)でした。コンポーザー集団として彼らとデモ・トラック作りに勤しんでいたジェイが、どうせなら自分達の名義でリリースしてはどうかということでアルバム制作に至ったようです。

サウンドはジェイ曰く「Chicago meets Def Leppard」だとか。美しいメロディとハードなサウンドの融合…まさにそんな感じです。クリフのハイトーン・ボーイスとジェイの粘り気のあるハードなリフとソロ、グレンの美しいキーボード・アレンジ。3人それぞれの持つ特徴がよく表れています。

皆んなしてシンセ・プログラミングに長けているし、プレイヤーとしても強者揃いなだけに、ゲスト・ミュージシャンはほとんど招聘せずにレコーデイングが進められたと言います。唯一M10にジョン・ロビンソン(Drs)が、参加したとのこと。とはいえThank youにはランディ・グッドラムスティーブ・ルカサーブルース・ガイチマーカス・ライル(Key)がクレジットされています。レコーディング中のジェイのスタジオに顔を出して、制作途中の音源に何かのアイデアでも助言したのでしょうか・・・と私の勝手な想像です(^^;;)。

収録曲
M1 Born To Love
M2 From The Beginning
M3 Insincere
M4 Criminal
M5 I Don't Want To Say Goodnight
M6 Welcome To Love
M7 The Day The Earth Stood Still
M8 Only Your Eyes
M9 Modern Girl
M10 I Will Be Loving You

1992年のスェーデン盤ではM10が「Ever After Love」に、2002年のUS盤はM10が「Dreams」に差し替えられています。そもそも日本盤のM10はLEVI’SのCM曲ということで、先行発売された日本盤仕様だったのかもしれません。


いきなりジェイのギターが唸るM1。エアプレイで聞けた音よりもかなり尖っていますが、とはいえフレーズはまさにジェイそのものの。思わずガッツポーズしたフリークも多かったと思います。


M3はずっと擬似ライブだと思っていましたが、インドネシア盤のクレジットに「Track 3 was recorded live at The Pantheon, Los Angeles, February 30, 1991.」とありました。本当かなぁ…。グレンの子供に捧げるとのクレジットもあり、どこかしみじみとするナンバーです。


後のジェイ一座の初の日本公演ではオープニングを飾ったM4。人気曲です。


シングル・カットされたM10。カップリングのM5はTV番組「世界ふしぎ発見」のエンディング・テーマに採用されていました。


売れっ子の3人だけに、ユニットとしての活動はこのアルバム・リリースだけで自然消滅してしまいます。とはいえ各人様々な活動をしている訳ですが、そんな中でこのレコーデイングでの未発表曲Jenny's Still In Loveがクリフのソロ・アルバム『solo』で期せずして日の目を見ます。

ところがこの曲はジェイに言わせると未完成で、何故断りもなくリリースしているんだとお怒りだったようです。以降、ジェイとクリフとの関係は疎遠になっていったとのこと・・・とはいえ、そんなジェイにしても、日本盤以外のM10に収録している曲は、オリジナルのボーカルを勝手に差し替えてリリースしているという事実があり、他人のことを言えたものではありません。皆さん本当に自由ですね(><)。


プロデュース依頼が落ち着いたのでしょうか、この時期のジェイは自身のソロ・ワークに注力していきます。ファンにとっては嬉しいことで、その後は待ちに待った単独??日本公演も実現します。そんなお話はまた別の記事で紹介したいと思っています。


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