見出し画像

【名盤伝説】”高中正義 / TAKANAKA”

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。日本の人気フュージョン・ギタリスト高中正義のセカンド・ソロ・アルバムの『TAKANAKA』(1977)です。

この年はギター・フュージョン最盛期といえます。渡辺香津美のソロ・デビュー作『Olive Steps』、大村憲司『KENJI SHOCK』、和田アキラ率いるPRISMがアルバム『PRISM』でデビューしたのもこの年です。ギター以外でも渡辺貞夫の人気作『My Dear Life』や、前作で燃え尽きてバンドを脱退した森園勝敏に変わって佐藤ミツルが加入した新生  四人囃子の『PRINTED JELLY』がリリースされたのもこの年です。今振り返ってみても目も眩むような名盤がゾロゾロ、当時高校3年で大学受験前だった私には、勉強なんかしている場合ではありませんでしたね(苦笑)。

そんな年にこの名盤『TAKANAKA』もリリースされています。実はこのアルバムのことは、無事に一年のブランク後に入学を果たした^^;;大学のバンド・サークルに入部した後で知りました。「あのミカ・バンドの高中がソロアルバム出していたんだ」と、学校の帰りにレコード・ショップに飛び込み、ファースト・ソロと共に即行購入しました。

ジャケットに写るストラトはミカ・バンド時代から使用していたもので、ヘッドのロゴは消えているもののオールド・モデルのフェンター製。高中といえばSGのイメージがありましたが、確かにこの時期はストラトでしたね。

参加ミュージシャンは超豪華です。キーボードには今井裕深町純佐藤博松岡直也。ベースは 小原礼高水健司。ドラムは村上秀一、パーカッションに浜口茂外也斉藤伸雄(ノブ)など当時の若手人気ミュージシャンが勢揃いです。

収録曲
A1 Summer Breeze
A2 Mambo No. 5 (Disco Dango)
A3 Sweet Agnes
A4 Mambo Magic
B1 I Remember You
B2 Gascon Cocktail
B3 Ready To Fly
B4 April Wave

落雷のSEから始まるA1。深町によるシンセ・エフェクトからのお得意なサンバ調のロック・ナンバー。高中、時代の影の仕掛け人の星勝、そしてコケティッシュな高音が魅力のTan Tanこと大空はるみらが楽しげなコーラスを聴かせてくれます。


そしてほぼメドレーで続くA2。もはや高中の十八番のマンボの名曲のカバーです。この底抜けな明るさは高中サウンドのキモです。ここでもTan Tan らのコーラスが効いてます。


ギター・フュージョンの楽しさを全て注ぎ込んだようなA3。深町の透明感溢れるシンセによるテーマは実に美しいです。村上-高水の跳ねまくるリズムも最高!! 。何テイク重ねているのかという高中のカッティングが様々な表情を見せています。


高中といえばこの曲という大人気曲B3。この曲のベース・ラインのオクターヴを多用するスケール弾きも、もはや高中専属と言えるほど。名曲です


アルバムのほとんどを手がける高中のコンポーザーとしての才能も見逃せません。ミカ・バンドで鍛えられた、どこかとぼけたような曲調も魅力かなと思います。

アルバムは国内だけでなくUK、ドイツ、イタリアなどでも発売されています。

人気ギタリストとしてのキャリアは始まったばかりです。




いいなと思ったら応援しよう!