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【名盤伝説】”TOTO / Turn Back”

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。US腕利きスタジオ・ミュージシャンズのTOTOサードアルバム『ターン・バック』(1981)です。

1st、2ndと順調にアルバムをリリースしていたTOTOですが、基本のスタイルは変わらずもバンドの方向性については様々な試みをしています。前作でトータル感を重視した、ややプログレ・チックなアプローチでアルバムを制作しましたが、本来スタジオ・ミュージシャンとして活動していた彼らにしてみれば、アルバムを制作してツアーをするという、王道のバンド活動に対しての憧れがあったことは想像に難くありません。

デビュー作はロック王道のポップチューン、セカンドはアレンジ凝りまくりのナンバー、そして新作は「原点回帰」なストレートなロックチューンが中心の曲作りとなりました。

メンバーはデビューから変わらぬ布陣、さすが地縁血縁で結ばれた仲良し達です。デヴィッド・ベイチ(Key)、ジェフ・ボーカロ(Drs)、スティーヴ・ルカサー(G)、スティーヴ・ポーカロ(Key)、ディヴィッド・ハンゲイト(Bs)、ボビー・キンボール(Vo)の面々です。

あまりにもストレートでハードな曲が中心だったためセールスはさっぱり・・・ところが世界をリードする日本のロックファンwは、しっかりと評価してアルバムセールスはそこそこの数字を稼いだようです。

収録曲
M1 Gift With A Golden Gun
M2 English Eyes
M3 Live For Today
M4 A Million Miles Away
M5 Goodbye Elenore
M6 I Think I Could Stand You Forever
M7 Turn Back
M8 If It's The Last Night

強烈なギター・リフから始まるM1。そこに絡むジェフの鳴りの良すぎるタム回し・・・これだけで、あ、TOTOでしょって感じ。ハイトーンが売りのボビーのボーカルですが、今ひとつ不安定なんですよね。ま、個人的な印象なので気になさらずに。


ルークがボーカルをとるミディアム・テンポのM3。PVではジェフの独特のドラミングがフューチャーされていてドキドキしちゃいます。当時このPVが流れていたショップ店頭で何度も見入ってしまいました。途中のギターソロではルークのピッキングに注目!。ここをアップで弾くのかと・・・。バンドマンには見どころ満載です。


ジェフのカウントから始まる貴重なテイクがPVになっていたM5。これも曲よりもスタジオ・ライヴ風の映像に目が行ってしまいます。アルバムの中では人気曲です。

このビデオのメイキングがYouTubeにはありました。メンバーのオフ・ショットもあってファン必見です。


アルバムラストはパワー・バラードM8。この曲だけゲスト参加しているポーカロ父のパーカッションが全編に渡って的確なリズムを刻み、成長している息子たちを優しく見守っている感がします。TOTOとしては珍しくアコギのソロがフューチャーされるなど、このアルバム収録曲の中では趣きが異なりますが、さすがペイチ作ということで完成度は高い名曲です。


この時期はバンドの知名度が上がる中で、メンバーのスタジオ・ワークもピークを迎えていたと思います。とはいえアルバムが売れなくては次作の制作はできません。そろそろお尻に火が付き始めた中で、本気で多くの音楽ファンに受け入れられる作品を作らなくてはと。そんな危機感が次の名盤を生む原動力になっているのは間違いありません。

ハードなテイストで、やや聴き辛い方もいるかもしれませんが、ひとつひとつのプレイを丹念に聞いていくと、沼にハマるアルバムかと思っています。


1970〜80年代の洋物ROCK系の記事をこちらでまとめています。宜しければどうぞお立ち寄りください。




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