“Killing Me Softly with His Song (やさしく歌って) / Roberta Flack”
[RADIO DAYZ] 1973 あの頃ラジオから流れていた懐かしい名曲を紹介します。
ロバータ・フラックはUS出身のR&Bシンガー。音楽一家に育ち、15歳の時にピアノコンクールに入賞。その後に米国屈指の黒人エリート大学に進学して、クラシックや声楽を学んでいます。卒業後は音楽教師やクラブでピアノ演奏をしていたようです。
1969年にアルバム『First Take』でメジャーデビューを果たします。実力派の彼女だけに順調にキャリアを積み、大御所クィンシー・ジョーンズのサウンドトラックアルバムに、ロックン・ロールの伝説のスターリトル・リチャードなどと参加したり、同じく大物R&Bシンガーダニー・ハザウェイと共演してアルバムをリリースするなど、R&B界で確固たる地位を獲得していきます。
そんな彼女が1973年8月にアルバム『Killing Me Softly』から同名タイトルの曲を先行シングルとしてリリースします。ちなみにカップリングはボブ・ディランの「Just Like a Woman」です。
USチャートで1位を獲得、R&Bシングルチャートとアダルトコンテンポラリーチャートでも2位を獲得する大ヒットになりました。日本のオリコンLPチャートでも39週連続ランクインするロングセラーとなり、翌年のグラミーで年間最優秀アルバム賞を受賞します。
実はこの曲はカバーで、オリジナルはロリ・リパーマンという女性シンガーのデビュー作。72年にリリースしたものの全くヒットしませんでしたが、この曲を偶然耳にしたというロバータがカバーして大ヒットとなりました。
オリジナル音源はこちら。
弾き語りをしている若いミュージシャンの演奏と歌に魅了され、心を奪われていく女性の物語。彼の歌は自分のことを歌っているようで、そんな彼の歌の世界に優しく包まれていく・・・音楽のもつ魅力を、ロバータの圧倒的な表現力で魅力タップリに歌い上げていきます。
深夜のラジオから流れてきたロバータの歌声は、一歩間違えれば子守歌のように夢の世界に誘います。それこそ優しくいきそうです。
そしてラジオ以外でもこの曲はよく流されていました。インスタントコーヒー "ネスカフェ"のTVCMに、当時この曲が採用されていました。しかもオリジナルとは異なるCM用の歌詞と音源で。動画のクレジットが1972年となっていますが、オリジナルが73年リリースですから、先にこちらのテイクが録音されたのでしょうか。まさかとは思うので継続調査ですね^^;;。
ロバータのバージョン以外にも、その後は渡辺美里のカバーでこの曲はCMに使われ続けます。よほどのお気に入りだったのでしょうか。確かに歌詞を変えているので朝っぽい雰囲気になっていますが・・・。
ロバータは難病のため歌手としての活動は引退するというニュースが、2022年に流れました。御年87歳(2024年現在)いつまでもお元気で。
夢中になってラジオを聞いていた頃の思い出をこちらでも語っています。
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