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★“楠木勇有行 / 楽園メモリー” (1988)
【SONGS】1988 私のnoteでは1970〜80年代の思い出の曲を中心に紹介していますが、年代問わずに出会った魅力的な曲についてもノンジャンルで記事にしたいと思います。
日本のシンガー・ソング・ライター楠木勇有行 (楠木恭介・楠木達志)のサード・ソロ・アルバム『The One And Only』(1988)収録のナンバーです。
楠木は東京出身、児童劇団での活動を経て芸能界デビューし、数々のテレビ出演やバンド活動の後にCM業界で卓越した歌唱力でスタジオ・ミュージシャンとして活躍します。1986年からはカシオペアのボーカリストとしてツアーに帯同し、その模様はライヴ盤『Casiopea Perfect Live II』に残されています。そして87年にはソロ活動を再開してデビュー・アルバムをリリースします。
デビュー作はそんなカシオペアが立ち上げたレーベルからリリースされます。野呂一生(カシオペア)がギター、伊藤広規(Bs)、青山純(Drs)、沢井原兒(Sax)、Eve・Candee(Cho)といった鉄壁の布陣でした。プロデュースは野呂氏ということで、メンツの割にはどうしてもカシオペア臭さが感じられて個人的には…。
そして待望のセカンドは何と別名義でリリースされていて、気づいた時には手の届かぬ存在となってしまいました(泣)。音源だけは入手しましたが、クレジットが無いので詳細は不明です。続いてサード・アルバムがリリースされます。私はプリズム追っかけだったこともあり、カシオペア人脈は完全にスルーしていましたが、とある休日の昼時の音楽番組(当時は土曜の夕方とかにTVで放送していたりしました)を眺めていると、あるボーカリストのライヴ風景を紹介されました。そこではドゥービー・ブラザースの曲をカヴァーしていて、その歌唱力に思わず見入ってしまいました。そして続いて演奏していたのがこの「楽園メモリー」でした。曲の良さに惹かれて思わず記憶に染み込ませ、ことある毎に音源を探す日々が続きました。
そしてようやく手に入れたCD盤、その時は本当に嬉しかったです。そして収められていたこの曲と何年振りかで対面できた時の感動と言ったら、思わずその場でガッツポーズしましたね^^;;。
このアルバムはTOTO人脈とのコラボで話題になった尺八奏者の松居和氏が楠木とともにプロデュースにあたっています。という事でLA録音ですが、私の知ったミュージシャンのクレジットはありませんでした(汗)。とはいえファーストと比べるとギターの音色は私の好みに近いし、リズムもこなれていて聞きやすかったです。
そして感動の再会、オリジナルはほとんどTOTOのパワー・バラードのようなアレンジでした。表現力豊かに歌い上げる楠木のボーカルも冴えています。永遠のマスター・チューンとして個人的は殿堂入りの名曲です。
You Tubeにはオフィシャル音源は無く、アルバムがフルで上がっているものしか見当たらなかったので、こちらから35:26辺りまでドラッグしてお聞きいただければと思います。
その後2000年にビクターから新川博氏らによるaosisレーベルでの一連のシリーズで、国内のあまり表立って紹介されないミュージシャン達のソロ・アルバム企画で、楠木もアルバムをリリースしています。
そして彼は現在でも活動を続けています。いつかどこかで生楠木を目の当たりにする日が来ることを願っています。