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★”Nena / 99 Luftballons” (1983)

【SONGS】1983 私のnoteでは1970〜80年代の思い出の曲を中心に紹介していますが、年代問わずに出会った魅力的な曲についてノンジャンルで記事にしたいと思います。


ドイツ出身のニューウェイヴ・バンドネーナの日本では珍しいドイツ語でのヒット曲「ロックバルーンは99」です。

ネーナはネーナさん(本名ガブリエレ・ズザンネ・ケルナーで、愛称のネーナは可愛い幼子の意味)をリードヴォーカルとしたバンド。当時の西ベルリンで結成されて、1983年にリリースしたファースト・アルバム『Nena』からシングル・カットされたこの曲がアメリカのラジオDJに取り上げられ、ヨーロッパ圏を中心に世界的なヒットに繋がります。

独語バージョンなので全欧大ヒットが正解ですね

原曲は当然ドイツ語で歌われていて、日本でも珍しくオリジナルのドイツ語版がリリースされ、ヒットチャートで4週連続第1位を記録する大ヒットとなりました。

時代は東西冷戦時代。当時私は学生から社会人になろうかという頃でしたが、国際社会が対立していて一触即発状態だったという認識はまるでありませんでした。上述のようにネーナは西ドイツ(自由主義陣営)で活動しています。この曲も西ベルリンで行われたローリング・ストーンズの公演で、ステージ演出として多数の風船が舞い上がる様子を見て、東側はこの風船を爆弾攻撃と見間違えないかということから生まれたのだそうです。

歌詞も99個の風船が地平線に漂い、99機の戦闘機が飛び立ち、「戦争だ!!」と叫びながらこの街並みが廃墟になったら・・・という、物騒な内容です。

日本人の国際感覚の乏しさは今も同じ。世界はどんなパワー・バランスで平和を保ち、局地的な紛争でガス抜きするだけでは収まらなくなるのは、明日の現実的な世界の一つだということを、過度に恐れることなく直視しなければならないと思うのですが・・・。


この曲は英語バージョンもありましたが、私の記憶には全くありませんでした。タイトルは「99 Red Balloons」となっています。ちなみにドイツ語の原題は「99個の風船」の意味です。戦争危機を象徴する意味で「Red」が付け加えられたのかと想像します。


ネーナさんはその後もドイツ国内で女優やタレントとして活動していたようです。そして時代の’80年代ブームでこの曲も注目されて、何と2000年代になり新バージョンがリリースされリヴァイバル・ヒットしたようです。


99個の風船に平和への祈りを乗せて・・・陽気なヒット・ナンバーにも、様々な願いが込められていたということですね。




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