【名盤伝説】”Lee Oskar / S.T.” (約束の地)
MASTER PIECE 超渋いファンクバンドWARのメンバーでハーモニカ奏者リー・オスカーのソロアルバム『約束の地』(1976)です。
リーは1948年デンマーク生まれ。66年に渡米して71年にはWARに参加してアルバム・デビューを果たします。その音楽性からは想像できない抒情的でポップなソロアルバムを76年にリリースします
参加ミュージシャンはWAR人脈を中心に実力派プレイヤーで固めています。特に派手なソロがあるわけでもなく、奥行き感のある雰囲気たっぷりで、当時でも異色なサウンドを聴かせてくれます。
一体何が始まるのだろうかというオープニング。街の音のSEで繋がる組曲として3部構成になっています。その中のA1-3が資生堂の化粧品CMに採用され、この曲は誰だと話題になりました。サブタイトルがCMのキャッチ・コピーになっているあたり、露骨なタイアップで時代を感じますね。独特なノリのリズムは以降のリーの代名詞のようになっていきます。
ポップなイントロでハーモニカが楽しげなB1。シングルカットされたA1-3のカップリングでした。
こちらもハーモニカ・サウンドに相応しい長閑なナンバーB2。ゆったりとしているのにファンキーなノリを感じるのはパーカッションが効いているからでしょうね。ティンパレス頑張ってます。
その後のリーは、日本人ドラマーの古澤良治郎とのコラボレーションなど活躍の幅を広げていきます。個人的には一発屋的な印象ですが、これだけのインパクトのあるアルバムを制作してくれたのですから、それだけで凄いなと思うのです。この作品もフュージョン前夜、クロスオーバーなアルバムだと感じます。
1970~80年代を中心に洋物FUSION系の記事をこちらでまとめています。宜しければどうぞお立ち寄りください。