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【名盤伝説】”Ramsey Lewis / Tequila Mockingbird” (1977)
お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ジャズ・キーボーディストラムゼイ・ルイスの『テキーラ・モッキンバード』(1977)です。
ルイスは1935年生まれUS出身、1956年にジャズ・トリオでレコード・デビューします。その後、かつてのバンドでドラマーだったモーリス・ホワイト(E.W.&F.)をプロデューサーとして迎えて制作された『太陽の女神』(1972)が大ヒットします。アフリカンなリズムにジャズとファンクのクロスオーバーしたこの作品はグラミー賞を受賞します。
そんな彼が1977年に制作したのがこの作品です。アルバムのプロデュースはアースのキーボードのラリー・ダン、ギターにはアル・マッケイ、ベースにヴァーディン・ホワイト、ドラムにフレッド・ホワイト、フィップ・ベイリーもパーカッションで参加するなどアース人脈が大量動員されています。さらにはレオン・チャンスラー(Drs)やヴィクター・フェルドマン(Key)などの実力派ミュージシャンが加われば怖いもの無しのサウンドです。
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収録曲
A1 Tequila Mockingbird
A2 Wandering Rose
A3 Skippin'
A4 My Angel's Smile
B1 Camino El Bueno
B2 Caring For You
B3 Intimacy
B4 That Ole Bach Magic
アフリカン・テイスト満載なビートに乗せたファンキーなタイトル曲A1はインストでありながら当時のダンスフロアでも大流行でした。言われてみれば仰々しいイントロとか、細かなシンセ・アレンジはアースっぽいですね。
後に女性ジャズ・シンガーのディー・ディー・ブリッジウォーターが歌詞付きでカバーします。こちらはジョージ・デュークがプロデュースして、オリジナル以上にファンキーな曲に仕上げています。
続くA2はメロウなテイストで、アース以外のミュージシャンがバックを務めてい
ます。とはいえルイスの跳ねまくりのローズ・プレーはファンクそのものでイカします。
キャッチーなメロディが印象的なA3のバックは再びアース隊です。ルイスの生ピアノのソロは「私はジャズ出身です」と主張しているようなテクニックを披露してくれています。
ルイスはその後レーベルをGRPに移籍してアーバン・ナイツを結成して時代のスムース・ジャズ・シーンを牽引します。2022年にシカゴの自宅で87歳で亡くなります。ブラス・ファンクの帝王E. W. & F. の原型を作り、とは言えあくまでジャズをベースとしたクロスオーバー〜フュージョン〜スムース・ジャズ・ピアニストとして、伝説のミュージシャンの一人と言えるでしょう。
2024年にはシンガー・ソングライターでギタリストの角松敏生が、自身のインストアルバムで「テキーラ…」をカバーします。歌入りということでディー・ディーのカバーとも言えますが、角松自身が大のフュージョン・ファンとして、そしてダンス・フリークとして敬意を抱いてカバーした思いが伝わり好印象です。
ルイスの魂は角松のカバーで、シーンを後追いする彼のファンの心にも継承されていくことを願いますが、果たして上手く伝わったでしょうか・・・。