角松敏生 PERFORMANCE 2024 C.U.M. Vol.1 こだわりのアーバン・サウンドを体感。
2024年の角松敏生コンサートツアー、6/15 東京ドームシティ2日目の公演を見に行きました。隣接する東京ドームでは欅坂?の集会のため、外周通路は超絶な人混み。メトロ駅からホールに辿り着くのに何分かかったことか・・・。
この日は東京公演だけあって満員御礼!さすがです。事前の情報で、この日は新入りドラマーの伊吹くん出演というので楽しみにしていましたが、会場に入るとドラムセットが2つ…真央樹くんとツインなんだと。残念というか、先に発売された新譜のアルバム『MAGIC HOUR』の曲に相応しいのか…。
この新譜を初めて聴いた時の感想は、正直今一つピンと来ませんでした。デビュー当時からシティ・ポップ(当時はシティ・ミュージック)というカテゴライズに嫌悪感?を持って、自分のサウンドは「C.U.M = Contemporary Urban Musi」だと高らかに宣言しました。「City」を「Urban」に言い換えただけとの厳しい言葉もありましたが、同級生として同じ時代に同じ音楽に接してきた私とすれば、その拘りには共感できるものはあります。
単に都会とか野山(笑)とかをテーマにしているという違いだけではなく、そこに暮らす人達や街中に蠢くグルーヴやシズル感をどう表現するかがポイント。「都会的でお洒落」だなんて抽象的な言葉では伝わらないサウンドを求めているのだと。
昨今のシティ・ポップ・ブームは、私にとっても違和感満載。自分のイメージに合わない曲が、あれもこれもシティ・ポップと名乗っているのに辟易としています。あくまで個人の感想ですよ^^;。世間的には角松サウンドもシティ・ポップなのかもしれませんが、自分の拘りを敢えて主張するのも、まぁ角松らしいと納得です。
新譜を暫く聞き込んでいると、だんだんと曲の展開に馴染んできました。初めての時の違和感は、事前情報による自分の思い込みとの差にあるのは、最近の彼のアルバムではありがちだということを忘れていました(苦笑)。虚心坦懐に接すると、頑張っているなという感じがしてきます。特にリズム。ドラマー二人の個性の違いを意識すると、かなり興味深く聞けるようになりました。
さて会場に入って目を引くものがうひとつ、ステージに異物が(笑)。バーカウンターと「おでん」の提灯。聞けば冒頭、彼が出演するラジオ番組と連動した小芝居があるとのこと。
アルバムの中にラジオドラマ風の小芝居を取り入れるのって、あの懐かしのSnakeman Showみたいです。角松は過去の自身のアルバムやプロデュースした空海のアルバムでも、こうしたドラマ仕立てのコンテンツを何度か取り入れています。まぁ私たちの時代にスネークマンは一世を風靡しましたからね。彼も終活モードに入っているお年頃、まぁ好きにしなさいよという感じです(苦笑)。
そんなスネークマンショーの紹介記事を書いてみました^^;。
そしていよいよ開演。噂の小芝居に続いて(笑)ようやくコンサートが始まります。
新譜のオープニングを飾る「Lovers at Dusk」から堂々のスタート。テンポの良いダンスミュージックにツインドラムが相応しいのかという微妙な感じで、リズムがわちゃわちゃしてる・・・。ツインドラムの魅力はあれこれありますが、細かなキメよりも、演奏全体が華やかになるとか厚みが増すとか。グイグイ来るリズムのスピード感が、制限速度一杯に加速するってイメージなのでしょうか。
2人のドラミングはタイプが異なります。細かな手数のテクで叩きまくる真央樹くんと、一方、若い割にはノリとキメを大切にする伊吹くん。例えが適切かどうか分かりませんが、TOTOのドラムがジェフ・ポーカロからサイモン・フィリップスに代わった時の違和感とでも言いましょうか。仮に二人が同時に叩く「アフリカ」や「ロザーナ」って一体どうなるのか…。
続くエアブレイのカヴァー「Cryin’ All Night」は、AORフリークの伊吹くんからすれば十八番の選曲ですが、ここも残念ツインドラムでのアレンジ。ピンでのプレイを、この曲こそ聞きたかったですね。
以下セットリストをみると、新譜全曲に旧譜の作品を取り混ぜたバランスの良い選曲でした。中盤のバラード2曲は特に懐かしかったです。
そして最も新鮮だったのが、しっとり始まる「WAになっておどろう」。定番「スカイハイ」と繋げるのであれば、こうしたアレンジは有りですね。
途中のMCでいつもの嘆き節「CDが売れない」トーク。気持ちはよく分かります。もともとライブ指向の強い彼だけに、世間で「CDが売れないからコンサートで」となったおかげで、ホールやミュージシャンのブッキング競争が相当に激しいようです。取りたいタイミングでホールが抑えられないとか、演りたいミュージシャンが他の公演に引き抜かれるとか…そんな憂き目に会い続けているのでしょう。とはいえ彼は「ライブも大切だけどアルバムを作り続けるのが自分のスタイルだ」と言います。「CD」は単なるメディアです。CDではなくアルバムを売るのでしょ。幸い彼のアルバムは、力強いファンの支持もあって、それなりのセールスをあげているようです。昔はLP、その後はCD、今は…。楽曲が良ければメディアは時代に合わせましょうよ。私はそう思います。
あとは本人も意外だったというグッズのアクスタ(笑)。ファンの間では大人気。これにはさすがに私も・・・どうぞ皆さん、お好きなように楽しんでください。
終演後に彼と会話できました。殊の外元気でしたよ。個人的には伊吹くんにも会いたかったけれど(笑)それはまたの機会に。そして伊吹くんピンでの角松ライブも、またの機会を楽しみにしています。
今年も角松は、この夏の久しぶりの軽井沢や恒例のブルーノート、その後にはまたツアーもあることでしょう。そして45周年に向けての準備など多忙な日々を過ごすことになると思います。(私信)その前に50周年もよろしく(^^;;)。
お互い健康には気を付けて、ますます充実の日々を楽しみましょうね。
新譜『MAGIC HOUR』についての記事です。
こちらで角松の記事をまとめています。どうぞお立ち寄りください。
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