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【名盤伝説】“George Benson” 元祖メロウ・ヴォイスの歌声に酔う。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ジャズ・ギタリストとしてデビューするも、その歌声がAOR・R&Bファンを魅了したジョージ・ベンソンです。

1943年US生まれ、ジャズ・ギタリストの巨匠ウェス・モンゴメリーチャーリー・クリスチャンに憧れてジャズギタリストを目指します。地元のジャズ・クラブに出演しながらチャンスを待ちますが、実は幼少の頃からシンガーとしても出演していたそうです。ただ歌えるというよりも歌も実はプロだったのですね。

1964年にレコードデビュー。1969年にはメジャー・レーベルに移籍してジャズギタリストとして、独特のベンソン節に磨きをかけていきます。

私がGBの存在を知ったのは、1976年ワーナーに移籍後の名盤『Breezin'』から。代表曲と言える「Breezin'」や「This Masquerade」収録。クロスオーバー・サウンド全盛期の傑作です。


その後1977年の『In Flight』や1980年の『Give Me the Night』など、ジャズフレイバー主体で歌物プラスのアルバムが続きますが、プロデューサーにR&B界の大御所アリフ・マーディンを起用して1983年に制作された『In Your Eys』が、ジャズ以外のファンの間で話題になります。

アリフの特徴でもあるタイトなリズムに乗せたGBのメロウボイスと、大胆に導入されたホーン・セクションがポイントです。

ジャズ・ボーカルのスタンダード曲「Feel Like Making Love」も、完璧なGB節にアレンジされています。

TOTOのグルーヴ・マスターのジェフ・ポーカロと名手ネイザン・イーストのベースという完璧なリズム隊による心地よいミディアムバラード「Lady Love Me (One More Time) 」。

R&Bの女王チャカ・カーンのコーラスが活きる「Love Will Come Again」。

まるでデヴィッド・フォスターのようなスローバラードのタイトル曲「In Your Eys」。スティーヴ・ガッドのドラムにリチャード・ティのピアノ、ギターはポール・ジャクソン Jr.,という豪華な布陣です。

こちらも何気に落ち着くスロー・バラード「Late at Night」。制作チーム入魂の名曲揃いのアルバムです。



そして続いてワーナーから1985年にリリースされた『20/20』も大騒ぎです。

コンポーザー陣がAOR・フュージョン界隈から大量投入されます。クリフ・マグネス、マーク・ミューラー、トム・キーン、ジェイムス・ニュートン・ハワード、スティーヴ・ルカサー、クルーズ・センベロ、ジョン・センベロ、ダニエル・センベロ、マイケル・センベロ、ランディー・グッドラム、スティーヴ・キプナー、セシル&リンダ・ウーマック、ニール・ラーセン・・・目も眩むような布陣です。大メジャー、ワーナーの本気度が伺い知れます。

以降のGBの代表曲となった名曲「Nothing Gonna Change My Love for You」収録。後半のギターソロは多分 ダン・ハフ。ダンは、この頃にはCCM界からメジャーにまで活動のフィールドを広げていて重宝されていきます。

知る人ぞ知るセンベロ・ファミリー総動員によるミディアム・バラード。ツボを押さえた曲作りはさすがの出来栄えです。お見事!。



さらにこの2枚以外でお薦めなのはこちらのベスト盤『The George Benson Collection』(1981)です。

名曲「Breezin'」や「This Masquerade」、メロウなジャズフュージョンの「On Broadway」、ホイットニー・ヒューストンで超有名なバラードのGB版「The Greatest Love of All」、デヴィッド・フォスター参加のアレサ・フランクリンとGBの正規のデュエット「Love All The Hurt Away」など、先ずはこれを聞けばGBの良さが分かるぞという選曲になっています。

そしてこの盤の最大のお薦めは、ジェイ・グレイドンビル・チャンプリンスティーブ・ルカサーのグレイトな共作「Turn Your Love Around」を収録していること。

この曲は後に作者のビル自身もセルフカバーする名曲。元々、完璧なビルチャン節ですけどね。参加ミュージシャンも作者以外に、ジェフ・ポーカロ(Drs)、D.フォスター(Key)、デヴィッド・ペイチ(Key)、ジェリー・ヘイ(Tp)、チャック・フィンドリー(Tp)、ビル・ライヒェンバッハ (Trombone)、ゲイリー・ハービッグ(Sax)など・・・。完璧なAORです。

アルバム制作の背景などの詳細情報はよく分かりませんが、この3枚は突出した
存在です。それこそ当時は聞きまくりで、ドライブ用のカセットテープでは定番でした。今でもこれらの曲を聞くと、当時の思い出で胸がギュっとなります(苦笑)。

時代のクロスオーバー / フュージョンを語るうえで、GBは絶対に欠かせないミュージシャンの一人です。


[追記]
GBは2024年夏に予定していた英国ツアーを体調を理由に中止し、今後はワールドツアーからも引退すると宣言したそうです。御年80歳、ライブは無理でも回復されて、そのメロウなサウンドをいつまでも聞かせて欲しいものです。
情報元 : https://amass.jp/172890/


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