【LIVE 名盤】”高中正義 / Super TAKANAKA Live!”
お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。日本の人気フュージョン・ギタリスト高中正義の初のライヴ・アルバム『スーパー・高中正義・ライブ!』(1980年3月リリース)です。
新作『Jolly Jive』(1979年12月)のリリースを前後してツアーを始めた高中が、同年末12月23・24日に武道館で行われた井上陽水とのジョイント・コンサートの模様をライブ盤として収めました。
武道館でのメンバーは新作アルバムに参加した井上茂、上原裕のツイン・ドラム、ベースに高橋ゲタ夫、キーボードは小林ミミ、石川清澄、パーカッションに中島ハジメと菅原裕紀、サックスに土岐英史、サポート・ギターに椎名和夫の面々。
A面は全て新作『Jolly Jive』収録曲。B1はソロ・デビュー・アルバム『セイシェル』(1976)収録。B2は4作目『ブラジリアン・スカイ』(1978)収録。そしてB3は2ndソロ『TAKANAKA』(1977)収録曲からのサディスティック・ミカ・バンドの名盤『黒船』(1974)収録曲という、自身のキャリアを網羅するようなラインナップです。
特にライブ・テイクで凄みを増したB3のミカ・バンドの名曲とのメドレーは歓喜の嵐に包まれました。
実はこのツアーに入る直前、まだ新作がリリースされる前の11月9日、高校時代の同級生の伝手で女子大の学園祭のコンサート・チケットを斡旋されて、高中と、同年5月にレコード・デビューしたてのカシオペア、そしてJ-POP界の重鎮ブレッド&バターという豪華3本立wのコンサートを見に行きました。
そこではリリース前の「ブルー・ラグーン」をはじめとして、この武道館ライブとほぼ同じセット・リストで演奏していたような気がします。特にラストの「レディ・トゥ・フライ」から「黒船」のメドレー(これは確かな記憶w)には、一緒に見にいったバンド仲間共に大興奮!!。帰路に着くため駅に向かう途中、感動冷めやらぬまま薄暗い(憧れのw)女子大キャンパスの並木道を歩いた記憶があります。
確かMCで、この後ツアーに出て年末は武道館に出ますといった趣旨の発言がありました。同じようなセット・リストで事前に観客の反応を見る・・・当時の学園祭での公演には、そんな意味もあったようですね。
ちなみにこの時のカシオペアのステージは、ただ上手なだけでしょという何とも怖いもの知らずな感想でしたし、ブレバタの演奏はほとんど覚えていません(苦笑)。兎にも角にも「黒船」をライブで聴けた喜びが、どれだけ大きかったことか、そんなコンサートでした。
ジャケット写真にもあるように、このステージでは一時期高中のトレード・マークのようになっていた青のSGモデルのギターを使っています。このヤマハ特別製のSG2000は、ヤマハからの押し掛けで、このライブのためにオーダーされたものだそうです。
このライブ盤での高中の演奏は、正直に言えば不安定で、バンドアンサンブルも完璧とは言えません。とはいえライブならではのアレンジやソロは魅力的です。特に自分が体験した演奏をパッケージとして聴けた喜びで、個人的にとても印象に残るアルバムになりました。
高中の人気はこの時期から爆発的に急上昇していきます。