【名盤伝説】”Queen / A Night at the Opera (オペラ座の夜)”
MASTER PIECE UKロックを代表するクィーンのオリジナル4作目のアルバム『オペラ座の夜』(1975)です。
前作『シアー・ハート・アタック』で世界的な人気を獲得したクィーンです。
その勢いのままに自分達の音楽性を100%出し切ろうと練りに練ったため、実際のレコーディングに4ヶ月も費やしたという労作になりました。
クィーンの音楽をロック・オペラと呼ばれるようになるのは、このアルバムがきっかけだったような気がします。巧みなコーラス・ワークに漂うクラシカルな雰囲気と百花繚乱なテイストのナンバーが収められています。
USチャートは4位なので十分ヒット作ですが、本国UKを含むヨーロッパの各国で1位を獲得しています。人気に火を付けた日本では9位止まりだったのは・・・。RIAA認定トリプル・プラチナ・アルバム(300万枚)と、ロック史に残るメガ・ヒット・アルバムです。
アルバムトップのA1。「二本足の死神」とおどろおどろしいタイトルで、しかも誰か特定個人に向けた恨み節と言われています。こうした主義主張を明確にするあたりはクィーンらしいというかフレディらしいのですが、英語力の拙い当時のロック少年たちには関係なしに「わぁ、クイーンらしい曲だね」と全く伝わってなくて残念でしたってことで^^;;。
ファンの間では「ジョン・ディーコンの作品は侮れない」と言われているとか。その代表作とも言えるのがこのA4。ここで奏でられているエレピはジョンが担当。普段ピアノ担当のフレティは生ピアノしか弾かないのだそうです。そんなこだわりがあったとは、この記事を書くために調べていて初めて知りました。
ブライアン作のA5。ボーカルもブライアンです。フォーキーな曲調に似合わない重厚なコーラス・ワークが、いかにもクィーンらしいです。1年間の宇宙旅行に出掛けた男が地球に戻ってきたら100年が過ぎていて、子供や孫はいたものの、最愛の妻は亡くなっていたという悲しいラヴ・ソング。SFチックなモチーフも似合いますね。
アルバム最大の聞きどころB4。これぞロック・オペラという6分弱の組曲。レコーディング風景が映画「ボヘミアン・ラプソディ」でも(個人的には)ハイライト・シーンとして再現されていましたね。
この曲のリハーサルとレコーディングだけで3週間が費やされたようです。180にも及ぶトラックのダビングが繰り返され、フレディ以外のコーラス・パートも160トラックという膨大なものに。当時ラジオから流れて聴いていた時ですら圧倒されましたが、改めてCD音源をヘッドフォンで聴くと、その奥深さは無限大です。
70年代を代表する長尺ナンバー(プログレを除く)としてレッド・ツェッペリンの「天国の階段」とこの曲を挙げておきましょう・・・これも完全に私の個人的な見解です。長尺にも関わらずUKシングルチャートで1位を記録。フレディの死後に再発され再び1位を獲得する唯一のナンバーとされています。
アルバム全体の派手さは前作に劣るものの、トータル感というか世界観はクィーンのアルバムの中でも飛び抜けているように思います。ロック殿堂入りの作品です。
1970〜80年代の洋物ROCK系のミュージシャンやアルバムを紹介しています。宜しければどうぞお立ち寄りください。
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