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【街角探訪】 文京区本郷(2) 忠犬ハチ公の待ち人

私が勤務している会社が都内文京区本郷にあるので、この周辺をよく徘徊しています。この街にまつわるお話をしたいと思います。

日本人なら誰でも知っている忠犬ハチ公の物語。渋谷の駅前で帰らぬ主人を待つ健気な秋田犬ということは知っていても、それでは誰を待っていたのかは私も知りませんでした。

関東大震災の後、当時は駒場にあった東京帝國大学農学部で教壇に立っていた上野博士がその主。ハチ公を大変に可愛がり、渋谷の自宅からの通勤に送り迎えをさせていた博士は、大正14年5月に講義中に脳溢血で倒れて帰らぬ人となりました。そんなことは知る由もないハチ公は、渋谷駅前で主人の帰りを待ち続けたというお話です。

現在は東大本郷キャンパスに隣接する弥生キャンパス内に農学部はあります。上野博士は日本の農業土木学の礎となる研究成果をあげられており、その功績は多大なものがあるそうです。博士は人望も厚く、その功績に報いる意味で、2015年にこの像がここに建てられたとのことです。ハチ公生誕100周年にあたる2023年には、ハチ公の故郷の秋田県大館市と東京渋谷で記念のイベントも行われています。

本郷にもハチ公の像があり、しかも飼い主と一緒とは。私もこの地に通勤するまで知りませんでした。像に彫られた博士の愛犬を見つめる表情と、ハチ公の飼い主との触れ合いを心から愛しむ仕草は、微笑ましいとともに涙を誘います。

上野博士と忠犬ハチ公の像


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