”角松敏生 / Performance Close out 2024 & Ring in The New Season”
年末恒例の角松敏生コンサート、12/28の神戸公演で今回のツアーも無事に終わったようなので、ステージの様子をレポートしたいと思います。私は東京公演2日目(12/14)に行きました。2024年2作目となったアルバム『Tiny Scandal』は34年ぶりのギター・インスト物。リリース直後の公演ということで、果たしてどんな内容になるのか楽しみにしていました。
今回のステージはいつものお馴染みレギュラー・メンバーのみでのバンド構成でした。山本真央樹(Drs)、山内薫(Bs)、鈴木秀俊(G)、森俊之(Key)、本田雅人(Sax)、小此木麻里(Cho)、亜季緒(Cho)。
急逝した中山美穂の追悼曲もあるよなと思っていましたが、何といきなりの女性歌物セルフ・カバー3連発!オープニングのEL&Pは特に意味は無くシャレだそうです(苦笑)。
元々こうしたリストを準備していたところに訃報が届き、追悼曲「You're My…」を追加したようです。それにしても何というタイミングでしょうか。不慮の事故で亡くなられた彼女にとっても思い出の曲として、演奏が終わると角松も観客も暫し天を仰ぎ、星になった彼女を見送りました・・・。
注目の新譜では、彼がどの曲でどのギターを持つのか注目していました。10でのレスポールの響きはメチャ良かったです。それ以外はインスト曲のほとんどはストラト使っていましたね。ラストの21はPVと同じく335でした。13日はこのインスト曲が、08「NOA」、09「SOEMONCHO STREET」、10「Evening Shadows」と全て入れ替わっていたようです。神戸での公演は08、09は13日と同じで、10は「Midtown」とのことでした[注1]。
後半はお馴染みの人気ナンバーによるお楽しみタイム。本田さんの管一本で、まさかの「SPACE SCRAPER」はチャレンジでしたね。音の隙間は絶妙に埋まっていましたが、やっぱり見た目でトランペットは欲しかったなと思いました[注2]。
アンコールの「スカイ・ハイ」と「ノー・エンド・サマー」はもう鉄板です。今後はこの2曲を超えるナンバーの新作創りに期待したいです。
さて、今回の会場は都内世田谷区三軒茶屋にある昭和女子大学構内の人見記念講堂で、角松自身初めて利用したとのことです。実は私もあまり馴染みのない会場でしたが、クラシックやジャズ・フュージョン系のミュージシャンの公演が多いかなという印象のホールでした。
開館は1980年とやや古いです。収容人員は2,070席(立ち見を含んで2,100席)で、中野サンプラザと比べてやや小さめです (中野の客席数は2,222席で▲152席)。都内に2,000席規模のホールって無いんですよね。ちなみに前回まで利用していた東京ドーム・シティ・ホールは2,471席と人見の方が▲400席。音響・照明のオペ卓が客席内ということで、実際には2列100席ほど使用できません。チケット1枚1万円としても500万円の減収になる計算です。これは誤差とは言えない額ですね。
個人的に大音量のロックやポップス系のコンサートでは、スピーカーから観客までの距離が一定しているドーム・シティ・ホールの方が整えやすいと思うのです。講堂としての利用を前提とした会場なので、館内の残響音も長めに設計されていると想像されるので、響きに頼らないタイトな音像を作るのに音響スタッフの腕の見せ所ではありますが、初めてのホールはそれなりに苦戦すること必至です。
今回の私の席はPA卓のすぐ前で、オペレーターさんに聞こえている音とほぼ同じだったと思います。オープニングのEL&Pでは音数も少なかったので余り気にはなりませんでしたが、それ以降の曲では・・・一概には良かったかとは個人的には言えません。
またアリーナ席がフラットになっている会場とは違って、階段状に座席が配置されているホール仕様の人見の方が、見やすいといえば見やすいのかもしれませんが、どうでしょうか・・・人見の二階席後部からの距離は、ドームシティ・ホール3Fバルコニー席からよりも距離があります。これもどちらが良いかは好みかなと思います。
来年にインスト・ツアーが神奈川・大阪・福岡で急遽決まったそうです。過去2作のインスト作品の曲とともに構成するとのことで、近県は平日開催ですが、見に行けたらなと思います。
相も変わらず精力的に活動している角松です。大学時代の同期の彼が現役でいるうちは、自分も(アマチュアだけど) バンド続けるぞと思っています。秋頃に入院していたというような話も伝わり、やや心配。身体を労わりつつ、お互い元気に続けられたら良いですね。頑張ろう、角松!。
タイトル画像はツアーメンバーの森俊之さんのFBより拝借しました。
角松についての記事をこちらでまとめています。どうぞお立ち寄りください。
[注1] 12/30に角松のXが更新されてセットリストが公開されましたので、一部記事を修正しました。
[注2] 本田さんが時折使っていてたウィンド・シンセのような楽器はNuRADというものでした。本体は単なるコントローラーで、Wi-Fi接続で別機材にプリセットしている音源を鳴らすというもの。管1本のように見えても複数のブラス音源を鳴らすことも可能です。「SPACE SCRAPER」でブラス・セクションの音が厚く聞こえたのは、要はシンセ音源だったということですね、納得です。
この機材はホーン界の巨匠マイケル・ブレッカーが2004年から使い始めて話題になっていたそうです。扱い店のサイトでは本田さんの得意げな画像がアップされていました^^。
https://kohske.com/pages/42/