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【沖縄】久米島仙人とヤジャーガマ洞窟

私は沖縄が好きで何度か行っている
その中でも一番記憶に残っている久米島での体験をを長々と書きたいと思う。

〈久米島仙人との出会い〉
久米島には春に飛行機で行った。
空港についてレンタカーで外に出たところ、
花があちこちに咲き誇り、
羽の大きな蝶々がたくさん舞っていた。

東京で仕事に疲れた私にとっては、
楽園に来たようだった。

お昼に沖縄そばを食べたあとに
ミーフガー(奇岩)に来たところ、
杖を持ったおじさんが笑顔で声をかけてきた。

「私は久米島仙人。ヤジャーガマって知っている?
久米島で2番目に綺麗なところ。連れていってあげるよ。」と。

「スマホで久米島仙人って検索してみて、怪しくないから」と。

私は地元の人っぽいし、何か楽しそうで行きたいと思ったのだが、旦那が「今日行く予定の場所があるので、そちらに行きます。」と断った。

結局、地図に載っている数々の観光スポットを回ってその日はヤジャーガマには行かなかった。

私はホテルに着いたあともヤジャーガマと久米島仙人が頭から離れず、夜眠る前にネットで検索をしまくったところ大体下記のことが分かった。

【ヤジャーガマ】
・懐中電灯が必須、無ければ入れない
・風葬の場所である、恐怖を感じる人もいる
・他のツアー会社のツアー料金は1人4,000円
・他のツアー会社の予約が埋まっていて予約不可

【久米島仙人】
・怪しそうだけれど、怪しくない
・懐中電灯を貸してくれる
・久米島仙人はヤジャーガマの入口の駐車場に14時くらいに出現することがある
・久米島仙人と連絡する手段はない
・久米島仙人はボランティアだが、お礼としてチップを渡そう(1人1000円〜)

私は旦那にネットで調べたことと、どうしても行きたい旨を伝えたら、旦那は「久米島仙人に会えるかわからないけれど、暇だし行ってみるか」と承諾してくれた。

〈ヤジャーガマ〉
一か八かでヤジャーガマの入口に行ってみたところ、駐車場には車が止まっていたのだが、残念ながら人の気配がしなかった。 

森の中のヤジャーガマの前まで来て、
久米島仙人が来てくれないかと願っていたところ、
ドンッ、ドンッ、ドンッと杖の音が森の中に鳴り響きながら近づいてきた。

旦那と顔を見合わせて後ろを振り返ると、
そこには久米島仙人がいた。

「私は久米島仙人。ヤジャーガマを案内しようか」と嬉しい提案がきたので、

「はい!ぜひ、お願いします!」と頼んだ。

久米島仙人は私達夫婦に懐中電灯を貸してくれた。

〈ヤジャーガマ洞窟の中〉
久米島仙人が中で楽しませてくれる。 
内容は秘密。

〈洞窟を抜けたあとの森〉
暗闇を抜けたあとに森に出るのだが、
これがなんとまあ、美しかった。

ド素人の超直感的な話で申し訳ないのだが、

久米島の祖先の人々の魂が、
金色の光のダストとなって森のあたり一面に
降り注いでいるようだった。

仏教やキリスト教では浄土や天国という概念があるように、死者を現世で生きる人々からは切り離して閉鎖的な場所に移すのに対して、

久米島の祖先の人達の魂は現世に留まり、今を生きる現世の人の側にいて、子孫をあたたかく見守ってくれているように感じた。

亡くなったご先祖様や家族はどこか遠くへ行くんじゃなくて、日の光となって今を生きている久米島の子孫に降り注いでいるんだろう。

今までの自分が知っている宗教とは違くて、開放感があるものだった。

もし、自分が亡くなったら空から降り注ぐ日の光となりたい、そんな風に思った。

〈第二の洞窟を抜けたあと〉
最後、洞窟を抜けたあと、久米島仙人がこれまで歩いてきた洞窟の方へ振り返って、手を合わせて目を閉じていた。
私達も手を合わせるようにとのことで、手を合わせた。

手を合わせあと、久米島仙人が「ここは夜に来るような場所ではない」と言っていた。

久米島仙人は途中、風葬の箇所があっても、久米島仙人は見向きもせず、森や洞窟の風景の説明をして、観光客である私達に風葬の写真を撮らせる時間を与えないようにしていたし、そっちの方面には懐中電灯を当てないようにと言ってきたことがあった。

私は事前にインターネットで調べていたので、何となくあるなと思っていたのだが、旦那は何も知らなかったので、一切何も気がつかずに綺麗な景色を楽しんでいた。

私の勝手な持論なのだが、
久米島仙人はヤジャーガマの案内をして観光客を楽しませつつ、観光客が先祖の墓を荒らすようなことをしないようにしているんじゃないかと思った。

久米島仙人は第2の洞窟を抜けたあとの出口は草がボウボウに生えていたのを、私達がくる数日前に草刈り機で全部刈ったそう。

久米島仙人は観光客を案内するついでに、
一緒に墓参りしているんじゃないかと勝手に思った。

〈お礼にチップを渡す〉
帰りに久米島仙人が感想を紙のノートに書いてほしいと言ってきた。

書き終わったあとに、チップを用意して久米島仙人に渡した。

久米島仙人は「こんなにもらえないよ」と断ってきたけれど、説得して受けとってもらった。

〈最後に〉
沖縄の中でも観光客が行けない場所に行って、貴重な経験ができてよかった。

もし、ヤジャーガマに行きたいというのであれば、地元のツアーや久米島仙人に案内してもらうのが良いと思う。

たぶん、私は死ぬまで、森の中のあの光を何度も
思い出すんじゃないかな。


















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